「カフェ・グルマン」をご存じですか?その発祥から、定番のフレンチデセール、自宅でフレンチレストランさながらのカフェ・グルマンを楽しむ方法までご紹介します。

Café Gourmand tray with coffee and French desserts

カフェ・グルマンとは?

フランスで食後のコーヒーを注文したら、ミニサイズのデザートを美しく盛り合わせた一皿が付いてきたことはありませんか?これが、フランスらしい食文化の一つ、「カフェ・グルマン」です。カフェ・グルマンとは、コーヒーに「ミニャルディーズ」と呼ばれる一口サイズのフレンチデセールの盛り合わせを添えたものです。メニューからデザートを一つだけ選ぶ代わりに、ミニサイズのスイーツをいくつも味わえるので、一皿で多彩なフランス菓子を堪能できます。

エスプレッソを合わせるのが定番ですが、フランスではアロンジェ(エスプレッソをお湯で薄めたコーヒー)や、カフェ・ノワゼット(マキアートのようにエスプレッソに少量のスチームミルクを加えたもの)、デカ(カフェインレスコーヒー)を選ぶ人も少なくありません。「カフェ」という名前がついているものの、紅茶やハーブティーを合わせることもあります。

 

「カフェ・グルマン」とはどういう意味?

フランス語の「gourmand」とは、美味しいものが大好きで、食事を心から楽しむ人のことです。この言葉から派生した「gourmandise(食い道楽)」を体現するのがカフェ・グルマン。美食を通して人生のささやかな喜びを味わうフランス流のスタイルです。皆で取り分けるデザートの盛り合わせとは異なり、カフェ・グルマンは一人で楽しめるもの。一人ひとりのコーヒーに3~5種類の小さなフレンチデセールが添えられるため、定番のフランス菓子を一度にいくつも味わうことができます。食後の一口デザートまでゆっくりと堪能する、まさにフランス人らしい楽しみ方です。

カフェ・グルマンの歴史

カフェ・グルマンには何世紀もの歴史があると思われがちですが、実は意外と新しいスタイルです。その始まりは1990年代のフランス。当時、多くのレストランではデザートを注文する客が減っていました。そこで、レストラン経営者たちは「コーヒーにミニデザートの盛り合わせを添える」という妙案を思いつきます。このアイデアは瞬く間に人気を博しました。普段はデザートを頼まない人もミニサイズならと心を惹かれ、クレーム・ブリュレタルト・タタンのどちらにするか決められない人も迷う必要がなくなりました。今では街角のビストロから高級レストランまで、あらゆる店でカフェ・グルマンを楽しめます。フランスでは食後の定番スタイルとして定着し、年間7億5,000万食以上のカフェ・グルマンが提供されているそうです。

 

 

カフェ・グルマンにはどんなデザートが添えられる?

カフェ・グルマンに決まったレシピはありません。そんな自由度も魅力の一つです。レストランがそれぞれに、季節や地元の名物に合わせてオリジナルの盛り合わせを考案しています。クリーミーなもの、サクサクしたもの、フルーティーなもの、チョコレートを使ったものなど、さまざまな味わいや食感を楽しめるミニサイズのフレンチデセールを3~5種類盛り付けるのが一般的です。なお、カフェ・グルマンの定番デザートには、次のようなものがあります。

 

カヌレ

カスタードのようなもっちりした生地の表面を香ばしくキャラメリゼしたボルドーの銘菓、カヌレはカフェ・グルマンの定番です。もともと一口サイズなので、コーヒーのお供にもぴったりです。

チョコレートムース

軽やかでふわふわの食感とチョコレートの濃厚さを楽しめるチョコレートムースを小さなグラスやヴェリーヌ(ガラス器)で提供すれば、リッチな味わいでも重たく感じません。

クレーム・ブリュレ

クリーミーなバニラカスタードにパリッとキャラメリゼした砂糖の層を重ねたクレーム・ブリュレは、フレンチレストランの代表的なデザートメニューです。

パリ=ブレスト

プラリネクリームを詰めたミニサイズのシュー菓子、パリ=ブレストはカフェ・グルマンのプレートに贅沢な彩りを添えてくれます。

タルト・タタン

焼いてからひっくり返すリンゴのキャラメリゼタルト、有名なタルト・タタンは小さく切り分けることもあれば、一人用のタルトレットに仕立てることもあります。豊かな味わいはもちろん、その誕生秘話も興味深いもの。タルト・タタンは偶然から生まれたという言い伝えをご存じですか?

もちろん、カフェ・グルマンのデザートはこれだけではありません。お店によっては、マドレーヌフィナンシェマカロンクラフティエクレアライスプディング(リ・オ・レイチゴのシャルロットプロフィットロールイル・フロッタントモワルー・オ・ショコラパンナコッタレモンタルト(タルト・オ・シトロンなど、さまざまなお菓子を取り入れています。フレッシュベリーや旬の果物、小さく盛ったアイスクリームを添えて、爽やかさと彩りをプラスすることもあります。こうしたバラエティの豊かさこそ、カフェ・グルマンの醍醐味。単品のデザートではなく、フランスの代表的なスイーツを一度に何種類も味わえるのです。

 

自宅でカフェ・グルマンを楽しむ方法

自宅でカフェ・グルマンを再現するのは、思いのほか簡単です。次にフレンチスタイルのディナーパーティーを開くときに用意すれば、ゲストにもきっと喜ばれるはず。数種類のデザートをあらかじめ作っておき、それぞれをミニサイズで盛り付けるだけです。食感にバリエーションを持たせると、バランスの良い一皿になります。クレーム・ブリュレチョコレートムースなどのクリーミーなデザート、カヌレフィナンシェなどの小さな焼き菓子、そしてタルト・タタンクラフティなどのフルーツを使ったデザートを組み合わせてみましょう。テイスト・フランスでご紹介している本格的なフレンチデセールのレシピを参考に、お気に入りのスイーツを盛り合わせて、自分だけのカフェ・グルマンに仕上げてください。

一人分ずつ小さなプレートやトレイに盛り付け、淹れたてのコーヒーと一緒にサーブしましょう。仕上げにフレッシュベリーを少し添えれば、彩りも華やかになります。友人を招いたときはもちろん、自分へのちょっとしたご褒美にも。シンプルでありながらエレガントなカフェ・グルマンは、食卓にフランス流の「アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの美学)」を取り入れるささやかな方法です。

テイストフランスマガジン発行のメルマガを読む

このフィールドにご記入
登録が確定しました