ワインの世界を探検するのは大変そうに思えるかもしれませんが、好みのブドウ品種があれば、新しいお気に入りワインを見つけるのは思っているよりずっと簡単です。フルーツや野菜と同じように、ブドウ品種にもそれぞれユニークなストラクチャーと風味があるため、好きな品種に似た特徴を持つ品種を見つければ、新しいお気に入りワインを探す手掛かりになります。何から始めればいいのか分からなくても、それなら、フランスで人気の高いブドウ品種について、それぞれの産地、そして、なじみがあるのに目新しい味わいを楽しめる他のおすすめ品種をご紹介します。警告:好みの品種がすぐに見つかってしまうかもしれません!
ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランは世界屈指の人気を誇る白ブドウ品種の一つですが、それも当然と言えるでしょう。果実味、火打ち石を思わせるミネラル感、ハーブのような香りが織りなす絶妙なバランスと強い酸味で知られるソーヴィニヨン・ブランの産地は世界的に有名ですが、その多くはフランスにあります。何より、ソーヴィニヨン・ブラン主体の白ワインは、サラダ、新鮮なシーフード、さまざまなフレッシュチーズといった爽やかな味わいの料理によく合います。
❤ 人気の理由:強い酸味、爽やかな柑橘系の風味、ほのかなハーブやペッパー、スモークのニュアンス
📍 産地:ロワール渓谷(特にサンセール、プイィ・フュメ、トゥーレーヌ)、ボルドー(セミヨンとブレンドして白ワインを造ることが多い)
🍷 次のお気に入り候補:料理に合わせやすく、酸味の効いたソーヴィニヨン・ブランがお好きなら、アルザス産リースリングを主体にしたワインをチェックしてみてください。アルプスのふもとにあるサヴォワの爽やかな白ワイン(アルテス、ジャケール、グランジェ)もおすすめです。
シャルドネ
シャルドネが「ワイン界のカメレオン」とよく呼ばれるのは、真っ白なキャンバスのような品種だからです。つまり、テロワールや醸造方法によって、最終的にできるワインの味わいが大きく左右されるわけです。シャルドネ主体のワインは樽香やバターのような風味に定評がありますが、この品種自体は用途が広く、晴れやかでバランスの取れたものなど、さまざまな味わいのワインを造ることができます。ふくよかな味わいも魅力です。
❤ 人気の理由:風味豊かで、ときにコクがありながら、爽やかな酸味が感じられる
📍 産地:ブルゴーニュ(シャブリ、コート・ドール、コート・シャロネーズ、マコネ)、シャンパーニュ
🍷 次のお気に入り候補:ほどよい酸味とコクのある濃厚な白ワインをお探しなら、ロワール渓谷のシュナン・ブランをベースにした白ワインがおすすめです。ブラン・ド・ブラン シャンパーニュがお好きなら、南仏リムー(ラングドック)のモーザック種を90%以上使用したスパークリングワイン、ブランケットや、バラエティ豊かなクレマン(シャンパーニュ以外の地方で造られたシャンパーニュスタイルのワイン、フランス各地で栽培されているさまざまな品種を使用)をお試しください。
メルロー
メルローが最も万人受けする赤ワインの一つとされているのは、ボディ、酸味、タンニンがほどよい、つまり、ミディアムボディで適度な酸味とタンニンが感じられるワインだからです。重すぎず、軽すぎないメルロー主体のワインは取っ付きやすく、飲みやすいため、大人数で楽しむシーンに適した安全なチョイスです。
❤ 人気の理由:なめらかな口当たり、ほどよい酸味とタンニン、ブラックベリーやブラックチェリー、チョコレート、プラムの香り
📍 産地:ボルドー(主に右岸、サンテミリオンやポムロールといった人気のアペラシオン)、シュド・ウエスト(ベルジュラック、カオール)
🍷 次のお気に入り候補:メルローのダークフルーツのような風味がお好きなら、カオールのマルベックもおすすめ。同じくらい風味豊かな味わいが楽しめます。ダークフルーツの風味が感じられ、口の中をコーティングするような南仏のワインをお探しなら、それなら、バンドールのムールヴェードル主体のワインから始めてみるとよいでしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン
フルボディの赤ワインがお好きな方にとって、カベルネ・ソーヴィニヨンはなじみのあるブドウです。この力強い品種は強い酸味としっかりしたタンニンで知られ、骨太で長期熟成に耐える世界屈指の銘柄を支えています。ナパの単一品種ワインとは対照的に、フランスのカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインは大部分がブレンドワインとして生産されています。
❤ 人気の理由:フルボディ、強い酸味としっかりしたタンニン、ダークフルーツやタバコ、スパイスの香り、ハーブのようなニュアンス
📍 産地:ボルドー(左岸)
🍷 次のお気に入り候補:カベルネ・ソーヴィニヨンの親にあたる品種、メルローとカベルネ・フランを主体にしたブレンドワインを試してみませんか。ボルドーの左岸を選びがちなら、右岸のメルロー主体の銘柄や、ロワール渓谷のカベルネ・フランを使用したヴァラエタルワインもおすすめです。
グルナッシュ
コート・デュ・ローヌのワインに目がない?そんな方はきっと、南仏の赤ワインによく使われるグルナッシュがお好きなはず。ほどよい酸味とタンニンで知られる南仏の赤ワインは、重すぎず軽すぎないため、万人受けする確かなセレクトです。
❤ 人気の理由:ほどよい酸味とタンニン、レッドフルーツ(ラズベリーやレッドキャンディのような香り)や柑橘類の皮のような風味
📍 産地:南ローヌ、ラングドック、プロヴァンス
🍷次のお気に入り候補:グルナッシュ好きな方には、ボージョレのガメイを使用したフルボディのワイン、南ローヌやラングドックの単一品種/ブレンドワインもきっと気に入っていただけるでしょう。
シラー
ペッパーの風味、強い酸味、渋めのタンニンが好まれるシラー主体のワインは、フルボディの赤ワインが好きな方の間で昔から人気があります。才能豊かな生産者によって造られた、力強くしっかりしたテクスチャーのワインは、セラーでの長期熟成に耐えるうえ、スモークした肉やグリルした野菜、ペッパーソースなど、さまざまな料理の味わいを引き立てます。
❤ 人気の理由:しっかりとしたストラクチャーとペッパーの風味。レッドフルーツやブラックフルーツ、スミレ、ブラックオリーブ、ベーコンの脂、砕いたコショウを思わせる独特な香り
📍 産地:北ローヌ、南ローヌ(ブレンドワインによく使用)
🍷 次のお気に入り候補:インクのように濃厚なフルボディの赤ワインがお好きなら、マルベックを主体にしたシュド・ウエストのワイン(南西部ではマルベックではなくコットと呼ばれることが多い)をぜひお試しください。また、ムールヴェードルを主体にした、プロヴァンスのしっかりした赤ワインもおすすめです。
ピノ・ノワール
ピノ・ノワールは、ワイン初心者から長年のコレクターまで幅広い層に愛され、世界中で最も人気のある品種の一つです。強い酸味と控えめなタンニンで知られ、さまざまな風味と価格帯のワインに使用されています。この人気の品種からは、世界で最も高価なワインがいくつも造られていますが、ロワール渓谷やブルゴーニュの一部(地方限定の銘柄や南部地域の銘柄)には、手頃な価格のワインもたくさんあります。
❤ 人気の理由:強い酸味、控えめなタンニン、レッドフルーツ(チェリー、ラズベリー)やキノコ、土の香り
🍷 次のお気に入り候補:酸味の強いライトボディの赤ワインをお探しなら、ボージョレのガメイやアルザスのピノ・ノワールを主体にしたワインを試してみませんか。このようなタンニンの少ないワインは料理との相性が良く、ピノ・ノワールのワインと同じように、少し冷やして飲むと味わいが際立ちます。おまけ:ピノ・ノワールのように酸味が強く、タンニンが控えめで万人受けする美味しいワインをお探しなら、ジュラのトゥルソーやプールサール、サヴォワのモンドゥーズを主体にした赤ワインをお試しください。
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