秋に楽しみたい、フランスワインと料理のベストなペアリング

By Vicki Denig

風味豊かな美味しい料理を堪能できる幸せな季節…食欲の秋を世界中の食通が指折り数えて待っているのも不思議ではありません。そして、秋の味覚に合うワインもまた同じように魅力的です。  

Boeuf Mijoté

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秋が愛される理由はさまざまですが、その中でも旬の味覚(とそれに合うワイン)は特に人気があります。 

秋になると、きのこや根菜、こってりと煮込んだシチューが食卓に並びます。こうした料理には、ボリュームに負けないコクのあるワインが欠かせません。今回は、秋にぴったりの心温まる定番料理とワインのペアリングを10パターン紹介します。グラスを用意して、美味しい季節の到来を待ちましょう。

 

パンプキンスープ × ヴィオニエ(ローヌ)

パンプキンスープとヴィオニエの組み合わせは、まさに秋のゴールデンコンビ。根菜の甘みや滋味が、ヴィオニエ特有のまろやかな口当たりとフローラルな香りでより一層引き立ちます。ヴィオニエの個性を生かした銘柄を探すなら、北ローヌのコンドリューやシャトー・グリエがおすすめです。

 

きのこのリゾット × ピノ・ノワール(ブルゴーニュ)

きのことピノ・ノワールは鉄板の組み合わせ。ローストからグリル、美味しいリゾットまで、どんな調理法でも、土っぽい風味が感じられるきのこ料理には、旧世界のピノ・ノワールが持つスパイシーでアーシーな香りがよく合います。コストパフォーマンスの高いブルゴーニュの赤ワインをお探しなら、信頼できる生産者が手掛けたブルゴーニュ・ルージュがおすすめです。

 

ビーフシチュー × シラー(ローヌ)

こってりした肉の煮込み料理には、そのボリュームに負けないコクのあるワインが欠かせません。そこでおすすめしたいのがシラーです。ペッパーのような刺激的な香りが肉料理の風味を引き立て、豊かなタンニンや晴れやかな酸味、しっかりしたストラクチャーが口の中でハーモニーを奏でます。つまり、料理とワインが互いの魅力を引き立て合うのです。まさに、秋の味覚とワインが織りなす最高峰のペアリングと言えるでしょう。

 

焦がしバターとセージのニョッキ × シュナン・ブラン(ロワール渓谷)

ロワール渓谷のシュナン・ブランは、青りんごやハチミツ、砕けた石を思わせる風味が知られていますが、これが焦がしバターとセージソースの秋らしい味わいにぴったりです。シュナン・ブランの生き生きとした酸味が、ソテーしたニョッキを噛みしめるたびに、口の中を爽やかにしてくれます。今年の秋の炭水化物は、トマトソースのパスタよりニョッキを選んでみては。

 

クロックポット・チリ × カベルネ・ソーヴィニヨン(ボルドー) 

クロックポット(スロークッカー)で作るチリのレシピにはさまざまなバリエーションがありますが、共通しているのは肉、野菜、そして何らかのスープストックが入ること。どんな食材を使っていても、(カベルネ主体の)ボルドー左岸なら、この料理のボリュームに負けないタンニン、酸味、しっかりした骨格を備えたワインがあります。(ヴィーガンやベジタリアンの方もご安心ください。レンズ豆やきのこを使った豆ベースのクロックポット・チリなら、コクのあるワインによく合います)。この組み合わせは間違いありません。

 

バターナッツかぼちゃのロースト × シャルドネ(ジュラ、ブルゴーニュ、ラングドック)

シャルドネはどこでも育ち、さまざまなスタイルで醸造できるオールマイティな品種。リッチでバランスの取れた白ワインを合わせれば、バターナッツなどのかぼちゃをはじめとする根菜の味わいも際立ちます。酸味がありながらまろやかなシャルドネをお探しなら、ジュラやブルゴーニュ、ラングドックの信頼できる生産者を選びましょう(ちなみに、ラングドックは手頃な価格の選択肢が豊富です)。

 

ケール、りんご、サツマイモのサラダ × リースリング(アルザス) 

ケールやサラダ菜といった緑の野菜は、美味しいワインとの相性が悪いとよく言われますが、リースリングなら大丈夫。晴れやかな酸味と柑橘の風味を持つアルザスのリースリングは、ケールの苦みやりんごの甘み、サツマイモの旨味とうまく調和します。秋の味覚を楽しむヘルシーなランチに、これ以上の組み合わせは考えられません。

 

クランベリー&ブリーチーズのトースト × スパークリングワイン(シャンパーニュ、ジュラ/ロワール/アルザスのクレマン)

自宅での秋のアペロを楽しむなら、ブリーチーズをオーブンで温めてトーストに塗り、クランベリーを散らした一品に、喉の渇きを潤すスパークリングワインを合わせましょう。伝統的な製法で造られたスパークリングワインの豊かな酸味と酵母由来のニュアンスが、ブリーチーズの濃厚さを中和し、自家製パンの素朴な風味と絶妙にマッチします。極上のペアリングで、アペロを堪能してください。

 

サワークリーム&チャイブを添えたベイクドスイートポテト × ガメイ(ボジョレー)

よく冷えたボジョレーのガメイほど、口の中をさっぱりとリフレッシュしてくれるワインはありません。赤い果実の酸味やペッパーのようなニュアンスがサツマイモの甘さに寄り添い、豊かな酸味がサワークリームの濃厚さを中和してくれます。これはサイドディッシュとは言わず、むしろメインにしたいほどの一品。正直なところ、単品でも夕食として満足できる組み合わせです。

 

シナモン風味のアップルクリスプ × デザートワイン(ボルドー、ロワール渓谷、南西地方)

秋の甘いペアリングなら、りんごを使ったスイーツ(クランブル、パイ、クリスプ)にボルドー(ソーテルヌ、バルサック)やロワール渓谷(ボンヌゾー、コート・デュ・レイヨン、カール・ド・ショーム)、フランス南西部(モンバジヤック、ジュランソンなど)のデザートワインを合わせたい。スイーツとワインを合わせる際には、スイーツより甘いワインを選ぶのが鉄則です。デザートワインはそれぞれ異なるブドウ品種から造られていますが、いずれも残糖度が高く、りんごを使ったスイーツの美味しさを最大限に引き立ててくれます。自分でりんごを摘んで、手作りデザートを用意すれば、満足感もひとしおです。

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