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誰もが認めるぶどうの丘「エルミタージュ」

Pierrick Jegu Pierrick Jegu, エディター 2022.01.18
Hermitage: THE hill

神話的なテロワール、伝説のドメーヌ、カルト的人気を誇るキュヴェ。リヨンの南、ローヌ渓谷北部に位置する約140ヘクタールのぶどう畑を表現しようとすると、賛辞がとめどなく溢れてきます。その理由を見ていきましょう。

グラン・テロワール 

「テロワール」、それはワインを語るとき誰もが口にする言葉です。この言葉は、気候、日照、土壌、下層土に加えて、ワインから最上の表現を引き出そうとする生産者の努力という意味合いを帯びることもあります。では、「グラン・テロワール(偉大なテロワール)」はというと、この言葉の意味するところは、そう簡単に突き止められそうにありません。どう定義したら良いのでしょう。グラン・テロワールとは、例えば、ぶどう品種に影響を与えるほどのポジティブな影響をワインに与えるテロワールのこと。その地で生産されたワインには、共通の特徴があらわれます。ワインの世界で、この特別な名声を享受しているテロワールの数は多くありません。その中で、国境を越えて絶大な評価を得ているフランスのテロワールが「エルミタージュ」です。

日照、土壌、そして区画

エルミタージュの畑はローヌ渓谷の北部に位置し、ローヌ川とタン・レルミタージュ村を見下ろす南向きの丘陵地を占めています。137ヘクタールの土地には複数の異なる地質が混在し、丘の西側では花崗岩質砂層土壌、東側には、第四紀の新しい地層が広く見受けられます。その結果、かなりしっかりしたワインを生産するベサール(Bessards)、少し渋みのあるキュヴェを生産するヴァローニュ(Varogne)、必ずしも他のセクターのワインほどの熟成能力を持たないデリケートなワインを生産するレ・グレフユー(Les Greffieux)など、個性がはっきり異なる区画が生まれました

色々な意味で特別

ワインごとに違いはありますが、すべてのエルミタージュワインに共通するのは、まれに見るエレガンスとその根底にあるフレッシュさです。さらに驚くべきことに、エルミタージュは、白も赤も人気だということです。赤ワインに使われる代表的な品種はシラーで、ごく少量であれば白ぶどうとのブレンドも認められています。一方、白ワインは石灰質の土壌を好むマルサンヌが主流で、驚くほどの長期保存が可能な白ワインが生み出されています。エルミタージュというテロワールの偉大さは誰もが認めるところです。それゆえ、それなりの価格が付いてくるのです。1ヘクタールのぶどう畑が数百万ユーロ(日本円で数億円相当)するこの地で、若手生産者がスポンサーなしに新規参入をするなんて夢のまた夢でしょう。しかも、売地もないのですから!最も高いレンジで、一本数百ユーロ(日本円で数万円)もするようなワインは一般消費者には手を出しにくいでしょう。特別なワインと引き換えに特別な金額を、というわけです。

Taste France Magazine ワインセレクション 

Domaine Marc Sorrel - Hermitage blanc – “Les Rocoules” 2016 
蜜蝋や新鮮なアーモンドのニュアンスを感じさせる香り。味わいは、豊かさと緻密さを併せ持ち、心地よい苦味を伴う印象的なフィニッシュへとつながります。

Domaine Jean-Louis Chave - Hermitage 2015 
もう数年セラーで保管すれば、このワインのポテンシャルが最大限に発揮されるでしょう。熟成により生まれる寛大さ、上質なタンニンの構造、シルキーな口当たり、新鮮な黒い果実とスパイスの非常に繊細なアロマバランスが特徴です。 

Domaine Yann Chave - Hermitage 2016 
アペラシオン・クローズ・エルミタージュCrozes-Hermitageで主要な存在であるこのドメーヌは、エルミタージュにもいくつかのぶどう畑を所有しており、それらをうまく活用しています。派手さよりも素直さに重きを置いているこのワインはその証です。心惹かれませんか?

パン・ド・カンパーニュ
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AOP ヴォージュ産モミの木はちみつ
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