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ブルターニュの特産品
ブルターニュは、放牧牛のクリーミーなミルクからできる上質なバターで知られています。昔ながらのブール・ド・バラット(beurre de baratte)は木製の撹拌機で作られ、半塩バターや有塩バターにはブルターニュのもう一つの名物である海塩の風味が生きています。ゲランド半島の塩田では、何世紀も前から受け継がれた方法でIGP ゲランド産フルール・ド・セルが採塩されます。バターは、クイニーアマン(キャラメリゼしたデニッシュ)やリッチな塩バターキャラメル、ファーブルトン(カスタードケーキ)といったスイーツに欠かせない材料でもあります。
そば粉もブルターニュの特産品です。15世紀からこの地で栽培されてきた香り高いそばは、もともとグルテンフリー。IGP ブルターニュ産そば粉は、そば粉のクレープや、ガレット・ブルトンヌ(塩味のそば粉パンケーキ)の主材料です。
ブルターニュの冷涼な海は、イワシやサバ、サン・マロ産のカニ、ホタテなどの豊かな漁獲をもたらします。 ブルトン産オマールブルーは、甘みと塩味が調和した味わいで珍重されています。牡蠣も外せません。特に、ブルターニュの「牡蠣の都」と呼ばれるカンカルの牡蠣は格別です。モン・サン・ミッシェル湾で育つブショーのムール貝も名物の一つで、シルクのようになめらかなオレンジ色の身と、ほのかな甘みが特徴です。このムール貝は初めて原産地統制呼称(AOC)を取得した海産物で、ブショーと呼ばれる背の高い木製の杭に付着させて養殖します。
ブルターニュ地方は農業の伝統も古く、豚肉とシャルキュトリーが特に有名です。中でもゲムネ産アンドゥイユは、アーシーな香りとスモーキーな風味を持つ熟成ソーセージとして知られています。モン・サン・ミッシェル産のプレ・サレ子羊肉もぜひお試しください。
ブルターニュの肥沃な土壌と海洋性気候は、果物や野菜の栽培にも理想的。モン・サン・ミッシェル周辺の豊かな海岸土壌で育つカリフラワーや、ニンジン、ビーツ、ジャガイモといった冬の根菜が有名です。夏には、甘くてシャキシャキしたAOP ロスコフ産玉ねぎ、みずみずしいイチゴ、トマト、香り高いメロンが旬を迎えます。秋に収穫されるリンゴは生食用としてはもちろん、ブルターニュの伝統的なシードルにも使われます。
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食通におすすめしたいブルターニュのグルメ体験
ブルターニュを訪れたら、さまざまな方法で現地の食文化に触れましょう。ここでは、おすすめのグルメ体験をいくつかご紹介します。
- ブルターニュの中心都市レンヌで土曜の朝に開かれるマルシェ・デ・リス(Marché de Lices)など、歴史あるフードマーケットを散策する
- 「クレープリー・グルマンド(Crêperie Gourmande)」(地元の食材と伝統的な調理法を守る店に与えられる公式な認証)として認められたクレープ店で食事をする
- サン・マロの食材専門店(バター専門店のラ・メゾン・デュ・ブール・ボルディエや、そば専門店のラ・メゾン・デュ・サラザンなど)でショッピングを楽しむ
- マテ貝やザル貝を責任ある方法で採取する、ブルターニュの伝統的な潮干狩り方法を学ぶ
- そば粉の製粉所、塩田、シードルの醸造所を訪ね、お気に入り食材のルーツを知る
- 貝類、牡蠣、オマール海老を山のように盛り合わせたプラトー・ド・フリュイ・ド・メール(plateau de fruits de mer)(シーフードプラッター)を堪能する
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ブルターニュの食文化を自宅で楽しむ方法
ブルターニュの雰囲気を食卓に取り入れるのは簡単です。食材そのものが主役なので、凝ったメニューを用意する必要はありません。シンプルなリネンやコットンのテーブルクロスを敷き、野の花を挿した水差しを並べれば、飾り気のないブランチのテーブルセッティングは完了。ハム、卵、チーズを包んだそば粉のガレットや、ブルターニュ産バターと塩バターキャラメルを添えた甘いクレープを用意しましょう。夏なら、みずみずしいブルターニュ産イチゴやスライスしたメロンをボウルに盛って添えるのもおすすめです。気軽なランチには、ロスコフ産玉ねぎを敷いて焼くクラシックなローストチキンや、バターたっぷりのパイ生地で作るロスコフ産玉ねぎのタルト・タタンを。飲み物はもちろんブルターニュのシードル。昔ながらの陶器のボウル、ボレ(bolée)でどうぞ。
© Lydie B
Contributor
Food and travel journalist