パテからソーシソンまで:パリのシャルキュティエに聞く、プロのアドバイス

今回はフランスのシャルキュトリーの秘密を解き明かします。テイストフランス編集部は、パリの有名ハム・ソーセージ専門店メゾン・ヴェロの4代目ニコラ・ヴェロ氏に、今さら聞けない質問をぶつけました。代々家族で営んできた老舗シャルキュティエのヴェロ氏が、フランス産のパテ、ソーシソン、シャルキュトリーボードの作り方について伝授してくれます!  

シャルキュトリーとは? 

シャルキュトリー(Charcuterie)とは、フランスの食文化に深く根ざした伝統的な食材です。フランス語で、chair(肉)+cuite(火を入れた)という意味で、基本的に、豚などの動物の肉をパテやテリーヌ、リエット、パテ・アン・クルートなどの加工することです。 

パテとは?  

伝統的にパテはのひき肉から作られ、エシャロットやパセリ、ワインなどを加えて、風味を高めることができます。パテのレシピは多数あり、さまざまな味を試すことができますよ。 

パテ・アン・クルートとは?  

パテ・アン・クルートとは、パテをクラスト生地で包んだものです。その名の通り、フランス語で「パテのパイ包み」という意味です。非常に美味しい伝統料理で、さまざまな調理法があります。私の父は、2011年にパテ・アン・クルートの世界選手権で 世界第2位を獲得しました。メゾン・ヴェロではその時のレシピを今も提供しています。当店のクラスト生地には、かつて王の城があったヴェルサイユ産の小麦粉、南ノルマンディー産の豚肉、フランス南西部の鶏肉、そしてフォワグラを使っていて…それはもう美味なんです! 

季節ごとのシャルキュトリーはありますか? 

はい、一年を通じて季節に合わせるようにしています。例えば、春は2~3カ月しか出回らないフランス産アスパラガスを使った商品を販売したりします。 

シャルキュトリーボードには何を乗せたらよいですか? 

フランスでは、一般的にジャンボン・ド・パリのようなフランス産ハムや、ロゼット・ド・リヨン、風味豊かなソーシソン、コルシカ産のコッパ、ジャンボン・ド・バイヨンヌなどの生ハムを盛り合わせます。どれも本当に美味しいです。 

美味しいソーシソンの選び方は?   

目で見て選びます。一般的に、紐がついたソーシソンの方が美味しいです。この紐は手作りであることを意味しています。また、形が上から下まで均一ではなく、不揃いなものを見つけてください。 

 

ソーシソンはどうやって食べますか?  

ソーシソンの食べ方は主に2通りあります。一つは、スライスしてそのまま食べる方法。もう一つは、サンドイッチにして食べる方法。フランスのバゲットにバター、ソーシソンを挟んで楽しむことができます。どちらも美味しいですよ。

ソーシソンの皮は食べられるのですか?    

それはあなた次第です。私自身は皮も食べます。ただし、皮を食べる場合は、手作りの商品であることを確認してください。 

 

ソーシソンとサラミの違いは?  

実のところ、あまり違いはありません。サラミはイタリア版ソーシソンで、ソーシソンはフランス版サラミです。しかし、ソーセージとは異なります。ソーシソンとサラミは熟成されていますが、ソーセージは生です。そのため、ソーセージは食べる前に加熱調理する必要があります。 

シャルキュトリーの保存方法は?  

店頭で購入した新鮮なパテやテリーヌ、リエットは、冷蔵庫で4日間ほどもちます。真空パックなら、10日から2週間は保存できます。ソーシソン・セックなどの熟成肉なら、さらに長期保存することができます。フランスでは、ソーシソンは数カ月はもつと言われますが、友人となら一日で食べ切ってしまうかもしれませんね!

 

シャルキュトリーは冷凍できますか? 

シャルキュトリーは冷凍可能ですが、風味や味が大幅に失われるので、あまりおすすめできません。

優秀なシャルキュティエになる方法は?   

フランスでは、シャルキュティエになるには2年間の職業訓練を受け、「職業適性証(CAP)」と呼ばれる資格を取得します。しかし、一流のプロのシャルキュティエになるには、5年間にわたって完璧な訓練を受ける必要があります。私がこの仕事で一番気に入っているのは、多様性です。同じ日は一日としてなく、毎日が創造と革新に満ちています。それは本当に素晴らしいことだと思います。

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