ワイン

食のヘルシー嗜好と共に人気のフランスのロゼワイン

Wataru Iwata Wataru Iwata, Sommelier 2021.05.31
CIVP

ヘルシーな食事は好きだけど、ワインも楽しみたい。そんなイギリスやアメリカのミレニアルズ世代に爆発的に人気なのが、ロゼワイン!ヘルシーな食事とロゼワインが合う理由を、ソムリエの岩田渉さんが解説します。

今イギリスやアメリカといったワイン消費先進国でロゼワインが 爆発的に人気であります。それに比べると日本のワイン市場というのは少し、物足りなさを感じてしまうかもしれません。それもそのはずです。そのような国々ではミレニアルズと言われる1981年から2000年までに生まれた人々が消費に貢献しているからです。つまりこのヤング・ジェネレーションが火付け役ともなり、昨今のロゼワインブームを押し上げているというのも過言ではありません。

今回は日本の若い消費者の方々にもおすすめな、フランスを代表するロゼワインを紹介させていただければと思います。

 

ロゼダンジュの逆襲

私が生まれる前(1989年)に、日本で一世を風靡したロゼワインがありました。それが「ロゼ・ダンジュ」です。フランスの三大ロゼワインの1つ(ロゼ・ダンジュ、プロヴァンス・ロゼ、タヴェル・ロゼ)であり、美しい色調と軽やかで甘さが残るアプローチのしやすい味わいで、絶大な人気を誇りました。

しかし、世界的にも食の嗜好が変わっていき、辛口志向を消費者が求めたために、現在では過去の栄光として語られることが多くなり、また「ロゼワイン=甘いワイン」というイメージが少なからず残ってしまいました。

しかし、そのほのかに甘くて飲みやすい味わいというのが、これからワイン消費を担っていくであろう、日本のミレニアルズの「ワインを楽しむ」という第一歩になる可能性を存分に秘めているのです。さらには、今現在でも、そのロゼ・ダンジュを造っている生産者というのは、時代の流れにも負けずに、情熱を持って造り続けてきた素晴らしい生産者ばかりであります。

飲み方もしっかりと冷やして、食前に楽しむのもよし、またはスパイシーな料理と合わせるのもおすすめです。特に中華料理との相性も素晴らしいものをみせるでしょう。

 

ヘルシーな食事に合わせて

先述したロゼ・ダンジュは食の傾向が変わってしまったために、 その消費が落ちてしまいましたが、逆に時代に見合ったロゼワインというのもフランスで生産されています。

近年は世界中で、「食のヘルシー嗜好」が進んでおります。こってりとした味の濃いものから、全体的にライトで軽やかな食事が好まれる傾向があり、特に若い方々の間でも健康を意識した食文化が 発展してきています。

素材の味わいを活かしたライトな食事に合わせやすいのがピノ・ノワールで造られているロゼです。私自身、ピノ・ノワールというブドウ品種は数ある品種の中で、最もフードフレンドリーな品種の 1つであると思っております。お肉だけでなく、魚や野菜、そして和食洋食に限らず、エスニックや中華、その汎用性の高さは素晴らしく、フランスでもそのピノ・ノワールから造られているロゼワインが存在します。

ロワール地方のサンセールやブルゴーニュのマルサネ・ロゼなどがそれに当たります。どちらも色調は色鮮やかな淡いオニオンピンクで、フレッシュな赤いフルーツの香りに、オレンジピール、ジンジャーのようなスパイシーなアクセントも感じられ、味わいにはピノ・ノワール特有の優美で洗練された果実味と酸味のバランスが心地よく、飲み手を一瞬で虜にするようなワインです。

「和食」が世界的に注目をされている理由が、その素材を活かしたライトでヘルシーなテイストであるように、我々日本の食文化にもぴったりなロゼワインです。

日本のこれからのワイン文化を支えていく、そして発展させていくため、ミレニアル世代の方々が今後いかにワインに触れ合っていくか、が課題になると思います。フランスのロゼワインが持つ多様性はきっとその架け橋になっていくでしょう。

 

(執筆 ソムリエ 岩田渉)

Photo @CIVP

みりん
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ジャンボン・ド・バイヨンヌ IGP
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