トリュフには、野生のものに加えて、数十種類もの品種が世界で栽培されています。しかし、そのすべてが食べられる、あるいは美味しいというわけではありません。
フランスでは、年間を通じて
5種類のトリュフが美食家たちの関心を集めています。トリュフが木から採取されお皿に乗るまでのストーリーをご紹介します。

Not truffle, but rather truffles!_Taste France Magazine

"木のそばで… 

…私は幸せに生きていた"と、仏シャンソン歌手ジョルジュ・ブラッサンスが歌っていたように、フランスのトリュフもまた宿主となる木の陰で育ちます。
木の種類は様々で、オークやヘーゼルナッツの木はもちろん、松やブナ、菩提樹やシデの木の場合もあります。大切なのは、全体的に乾燥した土壌であること、季節がはっきりしていること、日当たりが良いこと。etc、etc…。

3種の 「狩猟 」パートナー 

トリュフは地下で育ちます。つまり、トリュフを手に入れるには、掘り出さなければなりません。
このゲームに勝つには、人間の嗅覚では不十分。そこで、特別に訓練された犬を使います。犬はトリュフの匂いを嗅ぐとその場所を掘るので、主人は貴重なキノコを見つけることができるのです。
突進型ではありますが、犬に比べると機動性に欠ける豚も長いこと使われてきました。他にも、ハエを使ったトリュフ探しもあります。色が薄く細身の特殊なハエは、トリュフのすぐ上に着地する習性があるのです。このハエが止まっていたら、一度は追い払って、同じ場所に戻ってくるか確認してみましょう。戻ってきたら、ビンゴ! 

季節ごとに異なる品種 

トリュフを楽しむ機会が最も多いのはホリデーシーズンですが、他の季節もトリュフを楽しむことができます。
特に、夏のトリュフは格別です。5月から9月にかけてプロヴァンスで収穫されるトリュフは、クリーミーな肉質と森の香りが特徴的。続いて、9月から12月にかけてロレーヌ産トリュフ、ブルゴーニュ産トリュフが収穫されます。前者はアーモンドや甘草の香り、後者は下草の風味が感じられます。
最後に、12月から3月にかけては、南仏ペリゴール産黒トリュフが登場。その独特で力強い香りから、「ブラックダイヤモンドの女王」と呼ばれます。もちろん、よりスパイシーな冬トリュフも忘れてはいけません。

豊富なレシピ 

シェフやゲストに珍重されるトリュフの調理法は千差万別。中でも有名なのは、ラ・メール・ブラジエの「プーラルド・ドゥミ=ドゥイユ」で、皮の下にトリュフを塗った鶏肉をブイヨンで煮込んだ料理です。
ポール・ボキューズの「V.G.Eスープ」は、フォアグラとトリュフのスープにパイ生地をのせ、オーブンで焼いたもの。スフレオムレツ、アーティチョークスープ、熟成牛に…と、トリュフは家庭料理でも大活躍します。クリエイティブに楽しみましょう!

Contributor

Jerome_Berger
Jérôme Berger

エディター

テイストフランスマガジン発行のメルマガを読む

このフィールドにご記入
登録が確定しました