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フランス流牡蠣の食べ方

Teddy Minford Teddy Minford , Editor 2022.03.15
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IGP マレンヌ=オレロン産 牡蠣

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3,200キロメートル以上の海岸線をもつフランスは、ヨーロッパ最大の牡蠣の生産国です。フランスでは、牡蠣は何千年にもわたって王様や農民たちに愛されてきました。そして今日でも、フランス人はこの塩辛い海のごちそうが大好きです。フランス各地のビストロやブラッスリーで生牡蠣がメニューに並び、多くの人が「フランスの牡蠣が世界一」だと信じています。

牡蠣の歴史 

牡蠣は海水性の二枚貝で、恐竜の時代から地球上に生息していました。人類が牡蠣を初めて食べたのは16万4千年前、ヨーロッパに人類が初めて現れた時代までさかのぼります。牡蠣はフランスに自生し、ローマ時代から食用として収穫されていました。中世からルネッサンス期にかけて食用の牡蠣は海から採られていましたが、海辺の養殖場で牡蠣が養殖されるようになったのは17世紀に入ってからです。

フランスの歴史を通じて、牡蠣は王様や哲学者、そして芸術家などフランスの名士たちの生活に彩りを添えてきました。

1920年代にノルマンディーやブルターニュの海辺のリゾートが評判になると、牡蠣の人気も上がりました。今や牡蠣は単なる高級食材ではありません。ミシュランの星付きレストランで高価な牡蠣が出される一方で、屋外マーケットやウォーターフロントの屋台では1ダース数ユーロで売られています。

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  • ©Sandra Stoiber / EyeEm

    フランスにおける牡蠣の養殖について 

    フランスでは、地中海沿岸と大西洋沿岸の湿地帯や河口域で牡蠣が養殖されています。牡蠣は海水や塩分を少し含んだ水域(汽水域)で生育し、潮の満ち引きによって殻が丈夫に育ちます。フランス産の牡蠣の多くは、浅瀬やラグーン(潟湖)から採られたものです。

    フランスでは、2種類の牡蠣が養殖されています。「ヨーロッパヒラガキ」はフランスの在来種ですが、値段も高めで手に入りにくく、「ブロン」や「マレンヌ」とも呼ばれます。生産量も少なく、フランスの牡蠣産業に占める割合はわずか1~2%です。「マガキ」は、もともとは日本から輸入された品種です。

    どの産地でも牡蠣が食べごろに育つまで1~3年かかります。牡蠣は収穫せずに放っておくと20年以上も海で生きることができ、30センチ以上に成長することも。
    フランス産の牡蠣は000~6までの数字を使って分類され、数字が小さいほどサイズが大きくなります。小または中サイズの牡蠣は「ユイートル・フィーヌ」、大きく肉厚の牡蠣は「ユイートル・スペシャル」と呼ばれます。

    牡蠣はフランス全土で養殖されていますが、ノルマンディーとブルターニュの牡蠣が特に有名で、モン・サン=ミシェルに近いカンカルは「ブルターニュの牡蠣の都」とも呼ばれています。また、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏、ポワトゥー・シャラント、アキテーヌ、ラングドック・ルシオンの各地域でも牡蠣の養殖が行われています。

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  • ©Sandra Stoiber / EyeEm

    牡蠣の調理法 

    レストランの他に、フランス各地のシーフードマーケットや屋台でクラッシュアイスに美しく盛られた牡蠣に出会えます。大きさと種類を決めて購入したら、いよいよ牡蠣の殻むきです。

    牡蠣の殻を開くには、刃渡りが短く、先が丸いナイフを使います。まず、牡蠣の「ちょうつがい」(2枚の殻が合わさったもっとも分厚い部分)にナイフの先を差し込みます。そして、注意深くナイフをひねって牡蠣の殻をこじ開け、2枚の殻を切り離します。身の下側を優しくこするようにナイフをぐるりと動かすと、牡蠣の身が殻からはずれます。

    牡蠣にこだわりのある人はそのままで食べるのが一番だと言い張るかもしれませんが、フランスではくし形に切ったレモンや、ビネガーとエシャロットを混ぜた「ミニョネット」という風味の強い調味料を添えるのが一般的です。小さめの牡蠣は生で食べるのが一番ですが、大きめの牡蠣はバター、ガーリック、ハーブ、パン粉をかけてオーブンでグラタン仕立てに焼き上げて食べるのもおすすめです。

    味付けをしたら(しなくてもOK)、小さなフォークで牡蠣をそっと殻からはずします。殻をスプーンのように口元まで持っていき、牡蠣の身を口に流し込みましょう。丸のみせずによく噛んで食べると、独特の食感や繊細な風味を味わうことができます。

    牡蠣の量は1人あたり半ダースが一般的で、飲み物と一緒に味わうのがベストです。牡蠣とシャンパンの組み合わせは昔からの定番で、例えば、ルイナールのブラン・ド・ブランはとてもよく合います。夏の暑い日にはアペロールスプリッツといったカクテルも魅力的な選択肢のひとつです。また、ルイ・ジャドのシャルドネワインなら食事に洗練された味わいを添えてくれるでしょう。

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  • ©Westend61

    パリで牡蠣を食べるなら、どこがいい?

    パリは海岸沿いに位置していませんが、シーフード専門の素敵なカフェやブラッスリーがあるおかげで、国内でも最高級の牡蠣が食べられます。次のパリ旅行では絶対にはずせない、牡蠣の人気スポットをご紹介します。

    Huȋtrerie Regis (ユイートルリー・レジス)
    6区にあるこの素敵なスポットは、マレンヌ=オレロン産の牡蠣を専門に扱っています。この小さなレストランでは、さまざまな牡蠣料理を、茹でたエビや厳選されたワインとともに楽しむことができます。
    www.huitrerie-regis.com

    Oyster Club(オイスタークラブ)
    メニューは常に変わりますが、Oyster Clubは「新鮮さ」にこだわり、厳選された牡蠣やシーフード料理を提供しています。
    www.oysterclub.fr

    Clamato (クラマト)
    おしゃれエリアである11区に佇むClamatoは、ミシュランの星を獲得したシェフが率いるシーフードレストランです。牡蠣料理をはじめ、セビチェやシーフードの盛り合わせなど、クリエイティブで斬新な料理を味わうことができます。
    www.clamato-charonne.fr

    Sur Mer(シュル・メール)
    姉妹店のVerre Voleに隣接するSur Merは、サステナブルなシーフードを提供するレストランです。居心地がよく、家庭的な雰囲気が心地よいこのレストランでは、牡蠣やその他のシーフードを使った変化に富んだメニューのほか、自然派ワインもとり揃えています。
    www.surmer.restaurant

     

    醤油
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    AOP シノン
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