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7月、ブルターニュの伝統行事 「ゴメンナサイ祭り」を日本流に

Maki Yamamoto Maki Yamamoto, Wine writer 2021.07.13
Fete de Pardon

フランスには、クリスマスのようにフランス全土でお祝いする日もあれば、地方ごとに開催される祝祭もきちんと継承されています。
今回ご紹介する「ゴメンナサイ祭り」は、ローカルな祭事のひとつ。
ちょっと不思議な名前ですが、フランス北西部のブルターニュ地方で行われる、由緒正しき文化イベントなんです。


フランス語で「Pardon(パルドン)」、日本語で「ゴメンナサイ」を意味するそのお祭りは、キリスト教の巡礼行事が今に残されているもの。日常ウッカリ犯してしまった罪を許してもらうべく、毎年7月第二日曜日になると人々は民族衣装に身を包み、聖歌を歌いながら町を練り歩きます。ユニークなのは、聖歌がフランス語でなく古いブルトン語であること。というのもブルターニュ地方はもともと、イギリスのブリテン諸島から渡ってきた人々がケルト文化を根付かせたエリアなのです。16世紀にフランスへ併合される以前は、ブルターニュ公国というひとつの国でもありました。

画家たちを魅了する祭り風景
 大西洋に飛び出た半島を占めるブルターニュを地図で見てみると、北のイギリス海峡を挟んだ先にイギリスがあります。イギリスには、ストーンヘンジのように「なんのために?」「どうやって運んだ?」とナゾの深い巨石群が残されていますが、じつはブルターニュにも同じように巨石が並ぶ観光名所があるんです。紀元前から続く、イギリスとの関係の深さが伺えます。きっと、多くのフランス人にとっても、ゴメンナサイ祭りが行われるブルターニュには異国情緒を感じるのでしょう。ポール・ゴーギャンをはじめ多くの画家がこの祭り風景をテーマに絵を完成させているのも納得です。

 

ということで7月は、ブルターニュをテーマにおうち生活を充実させてみませんか?
「お掃除をさぼり気味でゴメンナサイ」
「最近、愚痴をこぼしてばかりでゴメンナサイ」
と日々の自分を反省しつつ、我が家で小さなゴメンナサイ祭りを開催。と同時においしい料理を用意し、気持ちをリセットしたいものです。


ブルターニュを想う鴨南蛮?!
ブルターニュは食も個性が光ります。海に囲まれ海産物が豊富なのはもちろん、高級鴨肉の産地であり、また冷涼なブルターニュですくすく育つ蕎麦もよく使われる食材です。お酒では、りんごを使った発泡酒「シードル」や蒸留酒「カルバドス」が人気ですね。シードルは甘口と辛口があり、食事に合わせて使い分けられます。
ブルターニュの代表的な食材、鴨や蕎麦を日本で味わうとすれば、ふと思いつくのが日本人に馴染みのある鴨南蛮。鴨の旨味が染み出た汁に香り高い蕎麦が絡む至福の一品ですが、なんと、これがまたシードルと相性抜群なんです!

とはいえ、最初はまず鴨肉ローストを用意。ゲランドなどフランス産の上質な天然塩だけでシンプルに味付けし、大人味の辛口シードルと一緒に楽しみましょう。
次に、残しておいた鴨肉のスライスを蕎麦汁へ投入し、〆の鴨南蛮へ移ります。こちらでは、甘口シードルの出番。みりんでちょっと甘めに仕上げた濃厚な蕎麦汁に蕎麦を絡め、合間合間にシードルをグビリ、がもう、たまりません。

箸もグラスもどんどん進む、二段階ペアリング。どうか、「食べすぎちゃいそうで、罪深いペアリングだな~」なんて言わないでくださいね。ゴメンナサイの気持ちを込めた贖罪の食卓に、罪はありませんから……

マグロ
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AOP ヴァレ・デ・ボー・ド・プロヴァンス オリーブオイル
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