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注目のサステイナブルワインとは?

Wataru Iwata Wataru Iwata, Sommelier 2020.06.30
sustainable wines

最近よく耳にする機会が多い「サステイナブル(sustainable)」ですが、一体どういう意味合いで使われているのか、いまいち分からないという方も多いはずです。今回は今話題のサステイナブルについて、フランスワインを通じて語っていければと思います。

 サステイナブルとは?

サステイナブルというのは日本語に直訳すると「持続可能な」という意味です。つまり簡単に言えば、「将来も継続的に成長していける仕組み」ということを指します。これはただ単純に環境に配慮するような「エコフレンドリー」なもの意味するだけでなく、例えば長期的にワイナリー経営を阻害しないような、経済にも配慮した仕組みなのかどうか、または社会的な公正もサステイナブルに当てはまりますので、そこで働く従業員の環境など多岐に渡ります。

よく誤解されやすいのが「サステイナブル」≒「オーガニック」とありますが、オーガニックは基本的には農法のことを指しますので、サステイナブルのように農法や醸造だけでなく、環境や経済、社会的な視点からみるものとは一線を画しております。

 

フランスのサステイナビリティ

サステイナブルという考えは、フランス国内でもしっかりと根付いてきております。その代表的な産地を挙げるとしたら、スパークリングワインでも有名な「シャンパーニュ」があります。

2000年代にC.I.V.C.(Comité Interprofessionnel du Vin de Champagne=シャンパーニュ 地方ワイン生産同業委員会)が支援し、この産地におけるブドウ栽培や醸造に関しての環境に関した取り決めを行いました。

・人間の健康に対するリスクを減らす(主に農薬などによる環境被害による)

・テロワールや生物多様性の保護と促進

・水、下水、その副産物に対する管理

・気候変動に対面する

主にこの4つの事項に焦点を当てられております。

さらには2014年にはフランスのワイン産地で初めて、サステイナブルに関するViticulture Durable en Champagne (VDC) という認証がシャンパーニュ地方で作られ、フランスワインのサステイナブル産地として、君臨しております。

 

注目のエリア ボルドー

ボルドーと言えば、誰もが知るワイン銘醸地であります。

近年このボルドーでもサステイナブルな取り組みが進んでおり、今現在は60%の環境認証が取得され、将来的には100%を実現するのではないかとも言われております。ボルドーは、フランスのアペラシオンシステムに見られるように、ワイン生産においても複雑な仕組みが統制されている、やや保守的な産地でありますが、このような取り組みを率先して行っています。

また、ボルドーでは、近年の温暖化などの影響を考えて、新しいブドウ品種を補助品種としてA.O.C.に7種導入しました。将来、温暖化などの影響が続いて、現存のブドウ品種だけでは、うまく栽培を続けていくことができないかもしれない、と言ったことに対しての対処であり、もしかしたら近いうちにこれらの品種がボルドーの新しいアッサンブラージュとして活躍することになっているかもしれません。

そう言った意味では、長い歴史と伝統に支えられてきたボルドーではありますが、サステイナブルという考え方の下において、新しい時代に突入したと言えるでしょう。

 

なぜ今サステイナブルなのか?

今世界中ではかなり高品質なワインが造られていて、スーパーマーケットで売っているワインも非常にレベルが高いものばかりです。そんな中、消費者がどのような基準でワインを選ぶのかが、今後のポイントにもなってくるかもしれません。

日本ではサステイナブルな考え方は、他国のサステイナブル先進国に比べると、そこまで浸透していないのが現状であります。しかしその考えが広がった暁には、サステイナブルで造られているワインを重視して購入するような消費者が増えてくるかもしれません。ある程度豊かになっているからこそ、そう言った倫理的価値観がワインを購入する際の基準になってくるかもしれませんね。

執筆 ソムリエ・岩田渉

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