フランス革命記念日とは
フランス革命記念日は、1789年7月14日に起きたバスティーユ襲撃と、翌年の同日に開催された全国連盟祭にちなんだフランスの国民的祝日です。
フランス革命記念日の歴史的背景
18世紀後半、フランスは改革派と保守派に分断され、深刻な経済危機に陥っていました。新たな憲法を起草しようとしていた第三身分(平民)の人々に同調していたルイ16世の財務長官が罷免されると、パリ市民の怒りが爆発します。市民たちは腐敗した政権に反旗を翻すために自ら行動を起こし、アンヴァリッド(廃兵院)に侵入して武器を奪いました。
同じ日、群衆がバスティーユ牢獄も襲撃しました。当時、この牢獄は国事犯の収容所として使われており、囚人の多くは理由もなく投獄されていました。バスティーユ牢獄はルイ16世による圧制の象徴であり、社会の不公正と不平等のシンボルでもあったのです。
襲撃時点で同牢獄に収監されていた囚人はわずか7人でしたが、彼らを解放した民衆の行動は世界中に波紋を広げました。 フランス政府の公式ウェブサイトでは、バスティーユの襲撃を「『アンシャン・レジーム』(旧体制)の象徴に対するパリ市民の初勝利」と評しています。
同年(1789年)のうちにフランス国民の勝利と団結を讃える国民的祝日の制定が計画され、翌年の同日(1790年7月14日)には、初の「全国連盟祭(Fête de la Fédération)」を開催。花火が打ち上げられ、ワインがふるまわれ、4日間にわたる祝宴が催されました。

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フランス革命記念日が祝日になったのはいつか
バスティーユ襲撃の直後から(その後数年にわたって)祝われていましたが、祝日として正式に認定されたのは1世紀以上経った1880年7月6日のことでした。同年5月、バンジャマン・ラスパイユが、祝賀行事を復活させ、フランス革命記念日を祝日とすることを提案します。ただし、当時のフランスの法律では、バスティーユ襲撃は依然として違法とされていたため、法的な課題がありました。
そこで政治家たちは、この祝日を暴力行為ではなく、全国連盟祭とバスティーユ襲撃の記念日とすることにしました。1880年のフランス革命記念日には、軍事パレードが初めて行われました。それ以来、この式典はパリで毎年開催されています(第二次世界大戦中の1940~1944年、コロナ禍の2020年を除く)。
フランス革命記念日の別名
フランス語では、「Fête nationale du 14 juillet」(7月14日の国民祭)または単に「le quatorze juillet」(7月14日の意)と呼ばれています。
フランスでの祝い方
フランス革命記念日の祝賀行事はフランス全土で催されますが、最も有名なのは、パリのシャンゼリゼ通りで行われる毎年恒例の軍事パレードです。ライブミュージック、ダンス、そして山盛りの料理とワインを楽しむパーティーがフランス各地で開催され、お祝いの花火も打ち上げられます。
フランス革命記念日を祝う挨拶
フランス人はこの日を「フランス革命記念日」ではなく7月14日を意味する「le quatorze juillet」と呼びます。そのため、昔ながらの挨拶は「Joyeux quatorze juillet!(7月14日おめでとう!)」です。
バスティーユ牢獄は今でも残っているか
パリを訪れる観光客は、バスティーユ牢獄が現存していないことを知ってがっかりすることが少なくありません。実は、襲撃の翌日からすでに解体は始まっていました。
バスティーユ牢獄の跡地には記念碑が建設されてバスティーユ広場になり、フランス共和国誕生のきっかけとなった出来事を今に伝えています。
フランス革命記念日は他国でも祝われているか
もちろんです!世界各国、特にフランスとゆかりのある国々では、フランス革命記念日が祝われています。例えば、ベルギーの都市リエージュでは、100年近く前からこの特別な日を祝ってダンスフェスティバルや花火大会が催されています。カナダでは、バンクーバーとトロントで盛大な祝賀行事が行われます。ヨーロッパでは、コペンハーゲンのチボリ公園やブダペストのドナウ川沿いで花火が上がります。プラハやダブリンをはじめとするヨーロッパのさまざまな都市では、フランス料理をテーマにしたフードフェスティバルも開催されます。さらに、インド、ニュージーランド、南アフリカ、米国などの世界各地で催される祝賀行事も有名です。
フランスの食を楽しみ、自宅でフランス革命記念日を祝おう
フランス人が食とワインを愛しているのは周知の事実。フランス革命記念日のピクニックは、美食を堪能する絶好の機会です。プロヴァンスのロゼワインやお気に入りのフランス産チーズなど、フランスの食を楽しみながら自宅でフランス革命記念日を祝いたいなら、地元のスーパーでフランスの定番食材を手に入れましょう。キッチンで腕をふるいたい方のために、夏にぴったりのフランス風レシピもご紹介します。
フランス革命記念日を祝うための定番フランス料理レシピ
7月14日のパーティーにふさわしいフランス料理のレシピをお探しなら、テイストフランスにお任せください。キッシュロレーヌやクロックムッシュなどのシンプルなフィンガーフードから、牛肉の赤ワイン煮(ブッフ・ブルギニョン)やそば粉のグジェール、コンテソース添えといった手の込んだレシピまで、フランス伝統料理はゲストにもきっと喜んでもらえます。
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