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パティスリー・サダハル・アオキ・パリ

Tsuyoshi Murakami Tsuyoshi Murakami, writer 2020.12.03
パティスリー・サダハル・アオキ・パリ 青木氏

鮮やかな色彩、スタイリッシュな形
豊かな香りと味わい、フランスの素材を生かした菓子
 

フランスの素材の良さを表現した菓子作りを通して、パリの街になくてはならないパティスリーに

 フランス菓子作りにフランス産の素材を使うのは当然のことですが、おいしいだけでなく、豊かな香りと味わいを持ったフランスの素材を使い、その良さを表現できるのは何か。それを追求したのが、青木定治氏の原点であるケーク・オ・ショコラ。バター、小麦粉、チョコレート、ドライフルーツなどの素材のおいしさが見事に調和した菓子です。

 例えば、青木氏は、菓子やクロワッサンなどにエシレのバターを使います。その風味の豊かさが、生地をよりおいしくします。バターの香りがしっかり感じられる生地になるのです。

 青木氏が作るマカロンやシュークリーム、エクレア、ミルフィーユなどは、どれも生地のおいしさに改めて気づかされる菓子です。マカロンの生地とクリームの絶妙な食感と味わいの調和、シュークリームは、生地とクリームでできている菓子だということに。

 また、フランス菓子は、キリスト教の宗教行事との結びつきが強いといいます。レストランのデザートは、料理のスタイルによって変わりますが、街場のパティスリーの菓子は、その時々の流行にばかり左右されるものではありません。

 ブッシュ・ド・ノエルは、誕生したキリストを暖めるために皆が薪を持ち寄ったことに由来するともいわれるクリスマスの菓子です。青木氏は、伝統は伝統として、それを、抹茶を使って表現します。

 パリで暮らす人たちは、菓子でも買うものによって店が決まっています。だから、そういう店の一つにならなければならないのです。何かで一番になれば、支持されます。マカロンならどこどこの店といった具合。買いに来る人にとっての定番になるということです。

 目指してきたのは、パリの街になくてはならないパティスリーになることだと青木氏はいいます。
 

求められるのは、オリジナルであること、斬新な発想から生み出される目にも舌にも鮮烈な菓子

 フランスでは、オリジナルであることが求められます。誰かのマネをしていたのでは認めてもらえません。

 青木氏が作る菓子は、色彩は鮮やか、形状は独特です。リップパレットを思わせるようなボンボンショコラ。縦横の比率は1:4、底辺対高さも1:4、縦3cm、横12cm、青木氏の黄金比によるスタイリッシュなデザインのケーキ、アンディビジュアルは4等分すると、正方形のプティフールともなります。

 レストランでの食事では、料理、チーズ、デザートまで、ワインなどとともに楽しみます。家でも、料理を食べたら、チーズ、そして菓子を味わって、リキュールなどを飲んで就寝します。食文化として、菓子を食べることが、食事に組み込まれているのです。

 フランスでは、菓子を含めて食事にアルコールを合わせます。日本でもチョコレートとコニャックなどの組み合わせはよく知られていますが、青木氏は、菓子にシャンパンを合わせることを提案しています。シャンパンと菓子の組み合わせは、日本でも、かなり浸透してきましたが、シャンパンは、質の高いフランス菓子に良く合います。マカロンとシャンパンでアペリティフ、また料理の後のデザートにもシャンパンを合わせてみましょう。フランス菓子のおいしさをシャンパンが引き立ててくれます。これから、洒落たひとときの楽しみとして注目されるのは間違いないでしょう。
 

sadaharuaoki.jp

(パティスリー・サダハル・アオキ・パリ 青木定治氏インタビューによる)

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