おいしい、楽しい、私らしい       ヴァン・ド・フランスってどんなワイン?

ヴァン・ド・フランスとは、フランスを原産国とするワインの商標。使用するぶどうは単一品種でも複数の品種のブレンドでもOK、フランス国内全域から選りすぐりのブドウを使用することができるため、生産者は自由な発想でワインを造ることができます。芸術的なヴァン・ド・フランスの世界、ちょっと覗いてみませんか。

 

Vin de France

「ルールがないのがルール」、その自由さがおいしさにつながっている
ヴァン・ド・フランスに精通するワイン専門家の別府岳則さんに、ヴァン・ド・フランスの魅力について尋ねてみたところ……

 

「『ヴァン・ド・フランスとはこういうもの』と、簡単にくくることのできないのがヴァン・ド・フランス(笑)。」
「ワイン生産者の意識が高いですね。使うぶどうは自由。1種類のぶどうだけ使っても、いくつかブレンドしてもいいのです。いろんなぶどう品種が使えるから、生産者のクリエイティビティを一番自由に発揮できる。そして、いつもと違う醸造法も取り入れられる。結果、とてもおいしいワインができる。そしてヴァン・ド・フランスなら、従来のAOCから離れた自由な価格をつけやすいのも生産者にとって魅力です。」

ヴァン・ド・フランスの世界にあるのは、先人から伝えられた豊富な知識をベースに、新しいスタイルを完成させた色とりどりのワインたち。フランスの大地をキャンバスとし、生産者が自由に描いた、絵画のようなワインばかりなのです。

自然派からロゼまで、3ペアリング
そんなヴァン・ド・フランスの世界観は、食べ物と合わせて体感すればすぐに納得です。さっそく、別府さんからデパ地下で売っているフレンチお惣菜とのとっておきのペアリングを披露してもらいました。

 

 

Chicken liver mousse
Article

●オレンジワインにはコクのある一品を
 ドメーヌ・デ・ザミエル 
 ル・ロール・ドン・ラ・ポー
Domaine Des Amiel "LE ROLLE DANS LA PEAU"

鶏レバーのムース
 

<Comments of Mr.Beppu>
白ワイン用ぶどうを赤ワインのように醸造するのが、オレンジワイン。フランス産のオレンジワインは、どれもヴァン・ド・フランスとしてリリースされています。そういったオレンジワインのなかでも、カボスのような日本の柑橘の香り、カツオ出汁のような旨味を持つのがこちら。鶏のから揚げやエスカベッシュなどの揚げ物、鶏レバーのムースやパテなどにピッタリなワインです。白ワインの風味を持ちながら酸味も旨味もしっかりしているので、油脂分の多い料理にも負けないのです。
 

<ワインデータ>
軽いワインになることの多いぶどう品種・ヴェルメンティーノが、オレンジワインで力強いタイプに変身。

 

 

Marinated salmon
Article

●ロゼの心地よい渋さは、サーモンと相性良し
 バサック アルモニア ロゼ 
Bassac Armonia Rosé

サーモン・マリネ

 

<Comments of Mr.Beppu>
様々なぶどうをブレンドすることで良さが出るワインが多いヴァン・ド・フランス。このロゼも、ブレンドの良さに加えオーガニックでカジュアル。フランスでは白よりロゼが多く飲まれているという話も納得です。花、果物、ハーブが香り、時間が経つとさらに甘い香りに変化。キャロット・ラペのような野菜に合わせるとロゼの清涼感が際立ちますし、サーモンのような脂を持つ食材を合わせても、ワインに含まれるタンニンが受け止めてくれます。正直、どんな料理とも合わせやすいワインです(笑)。
 

<ワインデータ>
サンソー、シラー、テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンド。アルモニアは、南仏オクシタン語で「ハーモニー」を意味する。

 

 

Spinach and bacon quiche, vegetable terrine
Article

●コクのある白はネットリ系料理と
 マーク・ハイスマ 
 ボーガン・イン・ボーガンディ ブラン
Mark Haisma A Bogan in Bogandy Blanc

ほうれん草とベーコンのキッシュ、野菜のテリーヌ

 

<Comments of Mr.Beppu>
芯の強さと蜂蜜や南国フルーツに似たニュアンスを併せ持つワイン。生産者は、数万円もするワインを造る一方、このワインのように様々なぶどう品種をブレンドしてヴァン・ド・フランスとしてリリースしているのです。クリスピーな皮とチーズのふくよかさを持ったキッシュや、旨味を含む野菜のテリーヌなど、ネットリした食感に合わせやすい白ワインですね。

<ワインデータ>
オーストラリア人がブルゴーニュに設立したワイナリー。マルサンヌ&ルーサンヌにシャルドネ&アリゴテをブレンド。

フランス全域で造られているヴァン・ド・フランスは、ほかにも親しみやすいワインが盛りだくさん。それぞれ「コスパがいい」「自然環境への配慮が深い」「スタイリッシュで料理と合わせやすい」と、光る個性を持ち合わせています。ヴァン・ド・フランスならきっと自分好みのワインが見つかりますよ!

Takenori_Beppu
Article

「ヴァン・ド・フランスは、オーガニックが多いのもポイントです」

ヴァン・ド・フランス
ナビゲーター
別府岳則さん
Takenori Beppu
Wine in Motion代表。レストラン、ワイン輸入会社、ワインショップに勤務した経験を踏まえ、各ワイン団体や生産者のプロモーション活動を多角的にバックアップ。ワインスクールやセミナーで講師も務める。

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