【テイスト&テロワール】シェフ、クリストフ・アリベールが誘う美食の冒険

By Jérôme Berger

 

産地から料理へ。それが、新シリーズ「テイスト&テロワール」に共通する、環境をテーマにしたコンセプトです。フランス各地の名産物を現地の生産者と料理人がいかに大切にしているかをお分かりいただけるでしょう。


1弾では、二つ星シェフのクリストフ・アリベールとマス養殖業者のニコラ・ヴィダルが、フランス南東部イゼール県の魅力をお伝えします。

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生まれ育った地元を愛するシェフ

グルノーブルから数キロ、ヴェルコール山地とベルドンヌ山塊の間に位置するユリアージュ・レ・バン。峠、氷河、湖、遊歩道、森を抱くこの地で、シェフのクリストフ・アリベールは育ちました。

© My Kitchen Society

曾祖父は農夫、祖父はパン職人、父はシェフでありホテル経営者という家系に生まれたクリストフ・アリベールは、この地で弱冠12歳にして天職を見つけました。そこで生まれた地元への深い敬意と尽きることのない愛情は、歳月を経て、メゾン・アルベールの厨房に受け継がれています。

 

あらゆる場所に豊かな自然が息づく地域

© My Kitchen Society

すべては自然から始まりました。「力強く、パワフルで、雄大な自然は、私たち人間よりもはるかに偉大です」。自然は敬意を集め、そこに自分の居場所を見つけるように誘います。クリストフ・アリベールにとって、それは厨房でした。イゼールのユリアージュ・レ・バンで生まれ育った彼は、自らのチームが活動する場として、責任あるトータルなエコシステムを構築しました。このエコシステムは、レストランに加えて、ゲストハウス、ミツバチの巣箱、「長期的な展望を描くための」菜園、そして彼と同じように地元を愛する生産者のネットワークまで、幅広く網羅しています。「地元の食材にこだわる」というポリシーを持つ彼にとって、ここは自分のテリトリーなのです。

 

情熱あふれる生産者

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この地はまさに、可能性に満ちた世界。フランス各地と同様に、イゼールも美味の宝庫です。ドーフィネのラビオリ(ラヴィオル・デュ・ロワイヤン)、グルノーブルのクルミ、ブルー・デュ・ヴェルコール=サスナージュにサン・マルスランのチーズ、ブルーベリー、シャルトリューズ、そしてもちろん、マスも忘れてはいけません。マスの養殖業者として知られるのが、ファニー・ロメザンとニコラ・ヴィダル。クリストフ・アリベールと同じくイゼール出身のファニーが父親から家業を引き継いだ後、ニコラも仲間に加わりました。それには理由があります。

 

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ヴェルコール山地の麓にある彼らの養殖場では、平均水温7°Cのきれいな水と最高の環境で4~5年かけてマスを大切に育てています。大規模な養殖業でありながら、環境と魚に敬意を払い、締め方にもこだわります。魚に苦痛やストレスを与えない活け締めによって、劣化を遅らせるため、身が締まってよりおいしくなるのです。

 

生産的なグルメ哲学

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どこか香草を思わせる味わいで、身が甘く繊細な」マスは極上の食材、そしてインスピレーションの源です。このマスを使った料理を試食するひとときは、ニコラ・ヴィダルとクリストファー・アリベールの2人にとって冒険のクライマックスであり、充実感を味わう時間でもあります。「自分が目的を果たしている、役に立っていると感じます。自分という存在、自分の仕事、人の仕事に意味を与えていると実感できるのです

 

動画のフルバージョンはここをクリック(日本語字幕をつけてご覧ください) 

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