Volaille de Bresse

AOPブレス鶏

Auvergne - Rhône-Alpes
生産地
オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ

リヨンの北で広く生産されるAOP(原産地保護呼称)ブレス鶏は、多くのシェフや美食家たちの心を掴んで離しません。もちろんこれには理由があります!一年を通じて食される若鶏(プレ、プラルド)はもとより、クリスマスに欠かせない七面鳥やシャポンに至るまで、類例のないその風味と柔らかな食感は厳格な仕様に基づく管理の賜物なのです。

知っておきたいこと

ブレス鶏という呼称が初めて登場したのは16世紀末。サヴォワ地方の侵略者からこの街を守った領主に丸々と太ったこの立派な鶏を住民が2ダースほど献上した、との記録がブール=カン=ブレスに残っています。極上の食材として、当時既に選り抜きの贈答品であったことが伺えるエピソードといえるでしょう。それから2世紀以上の時を経て、ブレス鶏はブリア=サヴァランのお墨付きを獲得します。この著名な美食家は自著『味覚の生理学』の中でブレス鶏を『家禽の女王、王の家禽』と称えました。

1957年には国民議会がブリア=サヴァランの教えに倣いAOC(原産地統制呼称)を認定。その後、ブレス鶏はAOP認定を獲得します。仕様書は厳格この上なく、屋外(豊かな牧草地15 m2)と快適な鶏舎(1 m2あたり12羽)での飼育、飼育期間はプレ4ヵ月、プラルド5ヵ月、七面鳥7ヵ月、シャポン8ヵ月とされ、さらに餌については全体の3分の1が自然界で自ら捕獲する虫など、残りの3分の2はAOP認定地域内で生産された遺伝子組み換えなしの穀物と乳製品を組み合わせる必要があります。肥育の仕上げにかける日数は10日以上。

クリスマスが近付くとリネンや綿の布で包まれた鶏をよく見かけますが、こうすることで長持ちするだけでなく体内の脂肪が全身にくまなくゆきわたるのです。

特筆するべきこと

視覚的に

視覚的に

羽毛は全体が白く、トサカは鮮やかな赤、脚は青く滑らかで足環をつけています。 身は白くマーキングはありません。
触覚的に

触覚的に

しっかりと締まった肉質
味覚的に

味覚的に

とても柔らかく、品種(つまり飼育方法)によってはホエーの風味が若干強めに出ます。

編集後記

« プレ(poulet・雄の若鶏)、プラルド(poularde・雌の若鶏)、ダンド(dinde・雌の七面鳥)、シャポン(chapon・去勢鶏)... フランス語では食用の「鶏」を細かく言い分けます。その違いをご説明しましょう。 「プレ」は最も広く使われるいわゆる「チキン」です。 「シャポン」もその仲間ですが、こちらは筋肉量を増やし柔らかくするために去勢された雄鶏です。 「プラルド」は卵を産んだことのない雌鶏を同様に肥育したもの。 「ダンド」は雌の七面鳥で、雄は「ダンドン(dindon)」と呼びます。 AOPブレス鶏の規定ではプレが1.3 kg以上、プラルドは1.8 kg以上、ダンドとシャポンは3 kg以上となっており、ダンドとシャポンはクリスマス専用に生産されています。 »

利用方法

保存

冷蔵庫で2~3日保存可能ですが、できるだけ早くお召し上がりください。

クリスマス用に白い布でくるまれたものは、冷蔵庫でこれより長く(数日間)保管できます。

下準備

他の多くの肉と同様、調理の1~2時間前に冷蔵庫から出しておくことをお薦めします。

とのペアリング

ジャガイモ、栗、アミガサタケ、トリュフ、ザリガニ、フォアグラ、ベーコン、干しブドウ、ビネガーなどと相性抜群。

生クリームを使用した料理ならワインはムルソー、他にはサン=ロマンの白や赤などをお好みで。

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