「渋谷フレンチフェスティバル(シブフレ)2024」の参加シェフが語る、フレンチビーフの魅力

By 江澤 香織

今年はオリンピック・パラリンピックの開催もあり、ますます注目が集まっているフランス。魅力的なフランス食材が目白押しの「渋谷フレンチフェスティバル(シブフレ)2024」が今年も9/28(土)、29日(日)に開催されます。一流レストランシェフたちによる限定料理やワインが楽しめる「Le Marché - Table des Chefs(ル・マルシェ~ターブル・デ・シェフ)」。大好評の「フレンチビーフ」を使った珠玉の一皿を味わってみませんか。

interverb beef

自然の牧草でのびのび育つ、健康的でバランス良い赤身肉「フレンチビーフ」を存分に味わおう!

フランスの肉牛は一般にグラスフェッドと呼ばれる、夏は放牧、冬は農場で収穫した干し草を食むというスタイルが登用されており、環境に恵まれた自然豊かな土地でのびのびと育てられています。脂肪が少なく赤身の多い肉質が特徴で、良質なタンパク質を多く摂取でき、低カロリーであることから、健康・美容への意識の高い方やスポーツ選手等にも注目されています。

ホルモン剤、成長促進抗生物質など人工的なものは一切使用されておらず、世界最高水準の厳格な健康基準で守られています。昔ながらの伝統を守る家族経営で、平均56頭ほどの小規模な農場が多く、各牛にはパスポートが発行され、牛の一頭一頭を、その生涯を通して同じ生産者が責任を持ち、手をかけて大切に育てられています。

そのフレンチビーフを使ったこの日だけの特別な料理を披露していただくシェフのみなさんに、フレンチビーフの魅力や、今回のメニューに対するこだわりなどを伺いました。

 

【9月28日(土)登場】

福田 順彦シェフ(セルリアンタワー東急ホテル)​

選んだ部位:リブロース

今回のメニュー:リブロース肉をじっくり焼き上げたローストビーフ 緑胡椒のソース

コメント:時間をかけてゆっくり焼き上げたリブロース。表面は香ばしくジューシーに、中は旨味たっぷりの肉のエキスを閉じ込めました。噛みしめるほどに豊潤な肉の旨味がジュワッと感じられる一皿です。

 

峯岸 昌昭シェフ(Masaaki MINEGISHI)

選んだ部位:牛タン

今回のメニュー:フランス産牛タンとイチヂクのシューファルシー ジャガイモピューレ添え

コメント:フランスの牛タンは繊維が多く、噛みしめると旨味が強く感じられます。牛タンの旨味を存分に感じて頂きたく、歯ごたえを残すように煮込まずコンフィーにしました。香辛料やポルト酒の香りを付けたイチヂクと一緒にキャベツで包み、フォン・ド・ヴォーで軽く煮込んでいます。付け合わせにジャガイモピューレを合わせて、牛タンの旨味を一層引き立てた一皿にしました。 

 

林 修史シェフ(NSK代官山)

選んだ部位 フィレ

今回のメニュー: 牛フィレのカルパッチョ ロースト菊芋のピューレとクレソンのサラダ

コメント: フィレはきめ細やかな肉質が特徴的です。フルーツや香味野菜と合わせ、低温調理することにより、より柔らかくなり、赤身肉の味わいを活かしました。付け合わせのクレソンサラダでさっぱりとお召し上がりいただけます。   

渋谷フレンチフェスティバル2023 清水シェフの一皿より「フランス産ステークフリット」

【9月29日(日)​登場】

丹野 貴士シェフ(nôl)

選んだ部位:Cube roll (リブロース) 

今回のメニュー:ローストビーフ 夏野菜のソースとハーブサラダ添え

コメント: リブロース肉を麹と有機コーヒーでマリネし、ローストしました。須永農園直送の野菜のソースを合わせ、グラスフェッド(牧草飼育)で育てられたフレンチビーフならではの自然な香りとほのかな甘みをご堪能ください。

 

井口 和哉シェフ(TOUMIN)

選んだ部位:牛タン

今回のメニュー: 塩漬け牛タンとクスクスのタブレ  

コメント:フレンチビーフの牛タンは、噛み応えと柔らかさの2つの食感を同時に味わえることが魅力。牛タンを柔らかい食感ながらサクサク感のあるコンフィにし、ディジョンマスタードを使用したコクのあるソースとクスクスを合わせ、さっぱりとしたサラダ仕立てにしました。 

 

内田 悟シェフ(FUSOU)

選んだ部位: サーロイン

今回のメニュー: 冷製ポトフ

コメント:グラスフェッドビーフ特有の香りのあるしっかりとした味わいの赤身肉のサーロインを低音調理で火入し、コンソメジュレと野菜、ハーブを合わせて 熱い夏にぴったりな冷製のポトフに仕立てました。 

渋谷フレンチフェスティバル2023 秋元シェフの一皿より「仏産牛サーロインステーキのブロシェット アボカドのチミチュリソース」

フレンチビーフの今後への期待や可能性などについて、シェフのみなさんから心強いエールをいただきましたので最後にご紹介します。

 

「フランスの牛たちは広大な自然の中で育てられています。運動量も多く、体が引き締まっているため、脂肪分が少なくヘルシーで栄養価も高い。赤身肉本来の旨味を感じます。フレンチビーフの真の美味しさを知ってもらいたいです」

峯岸 昌昭シェフ

 

「日本の高級店では和牛に偏っていて、厳しい状況ではありますが、フレンチビーフに可能性を感じています。牧草飼料(グラスフェッド)と穀物飼料では肉質は異なりますし、グラスフェッドの良さとともに、サステナビリティ、抗生物質不使用、成長促進剤不使用などもきちんと伝えたいポイントだと思います」

丹野 貴士シェフ

 

「健康意識の高まりで、“霜降り”から“赤身肉”にシフトしている傾向を感じます。一方でグラスフェッドビーフと検索するとサジェストで“美味しくない”と出たりもするので、正しい認知拡大に務めたいと思います」 

井口 和哉シェフ

「渋谷フレンチフェスティバル(シブフレ)2024」では、今年もフレンチビーフを贅沢に使ったバリエーション豊かな料理が楽しめます。フレンチビーフの本当の美味しさをぜひ多くの方に知っていただきたく、シェフ一同、みなさまのお越しをお待ちしております。

Contributor

Ezawa Kaori
江澤 香織

ライター、旅、食、クラフトなどを中心に執筆

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