『エミリー、パリへ行く』 食にまつわる5つのクリシェは嘘か誠か?

By Keda Black

昨年Netflixで公開され、世界中で大ヒットしたドラマ『エミリー、パリへ行く(Emily in Paris)』。

フランス文化のクリシェ(固定概念、ステレオタイプ)がドラマの中で数多くあると話題になりましたが、今回はドラマの中でみられる「フランスの食にまつわるクリシェ」を5つ、ご紹介します。

Emily In Paris Food Clichés

1.毎日のコーヒーとクロワッサン

1話でパン・オ・ショコラを注文し、「これぞパリっ子」と悦に入るエミリー。しかし実際のパリの朝食の定番は、菓子パンよりもトーストです。もちろん、アップルターンオーバーやブリオッシュ、焼きたてのクロワッサンなどが並ぶパン屋を街のいたるところで見かけるのも事実です。そうした風景は世代を超えた菓子パンの根強い人気を如実に物語るものではありますが、実は週末や休日の楽しみに買って帰ることの方が多いのです。

 

2.パリではレアで焼かれたステーキが人気?

ステーキ好きのフランス人は確かに「ブルー」(ほとんど生に近い焼き加減)や「セニャン」(レア)など、中はピンク色のまま、表面だけ軽く炙った肉を好みます。第2話では、レアステーキを出されて、初めは食べたくないと言っていたエミリーが最後はしぶしぶ口にする様子が描かれていましたが、今後タルタルステーキ(仔牛肉や牛肉をミンチにしてスパイスを練り込み、完全に生のまま食べる料理)を出されたら、エミリーはどう立ち向かうのでしょうか?

 

3.サンセールワインは「朝食用ワイン」?

これは意見が分かれるところですが、エミリーの親友であるミンディは第3話でそう主張していましたね。確かに、ランチにワインを12杯楽しむ姿はパリだけでなく、フランスのどこでも見られる一般的な光景です。仕事の日であっても、それは単にランチタイムを少し長めに取るだけのこと。気持ちよくランチを楽しめば、その後の仕事もはかどるというものです。シャンパンくらいであれば、ランチタイムに楽しんでも誰も気にしません!

 

4.料理の腕を披露するならオムレツを作れ

フランス人が会得しているものがあるとすれば、それはシンプルを極めていることです。完璧なオムレツを作ることと同様、それはテクニックを必要とします。第4話のガブリエルのように、焼きながらフォークで卵をかき混ぜる必要がありますし、(使用後もゴシゴシとこすらず、拭くだけにして)しっかりと油をなじませたフライパンを用意しなければなりません。しかしこれほど誘惑的なものもありませんよね?

 

5.クレープは世界一のパンケーキ

9話でのダンディなイケメン、マチューの主張ですが、「フランスのパンケーキ」とも呼ばれる、バターたっぷりの薄いクレープを夕方、焼きたてで買ってその場で食べるのは確かにほっと一息つける最高の瞬間でしょう。正直なところ、フランス人は自分たちの国の料理を多少贔屓する傾向があるかもしれませんが、そんな彼らも外国の美味しい料理を拒むほど自惚れてはいないのです。

 

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