ココ・ド・パンポル豆:素朴なのに洗練されたごちそう

By Caroline Wietzel

昔は漁師の妻たちが庭で育てていたココ・ド・パンポル豆は、現在はブルターニュ地方全域で栽培され、保護原産地呼称(AOP)にも指定されています。海岸と農村地帯の間に位置するこの地域では、農家が伝統的な栽培法を継承しており、世界中でその評判が広がりました。今回は、この重要な穀類について深堀りしてみます。 

Coco de Paimpol

海にほど近いこの場所、角を曲がると海岸が見えてくるようなところです。空気には独特のやや重い質感があり、8月の午後にしては気温は低めな地域です。そう、ここはコート=ダルモール県のパンポル。1928年にある船乗りがアルゼンチンから持ち帰った、小さな真珠のような白いんげん豆の産地です。この地域で盛んに栽培されているココ・ド・パンポル豆は、紫の斑点のある藁色のさやに、楕円形の豆が特徴です。1998年には、ブルターニュ地方の生鮮野菜として初めてフランスの原産地統制呼称(AOC)に認定され、数年後にはEUレベルの保護原産地呼称(AOP)に指定されました。現在、この地域の「バラ色の花崗岩の海岸」沿いに連なる85の自治体で、200件の農家がココ・ド・パンポルを栽培しています。この栽培地は、パンポルとトレギエの間の特定の地域に集中しています。  

© ©Louis-Laurent Grandadam

珍しい収穫方法 

7月の晴れた日には、麦わら帽子や綿の日除け帽をかぶった、収穫作業をする人で畑が一杯になります。それぞれの区画のあちこちに椅子が置いてあります。パンポル豆の手摘み収穫の時期がやってきたのです。8月下旬から9月上旬にかけて収穫のピークとなり、10月下旬まで続きます。収穫作業は椅子に座り、足元に空の箱を置き、膝の上の枝の束から豆の鞘を素早く外していきます。根は前もって切り落としてあります。この作業は鶏の羽をむしっているように見えるため、「羽むしり」と呼ばれています。収穫に従事する季節労働者は、1日に130~150キロもの鞘を外すことができます。「葉がやや黄色くなると、それが収穫の合図です」と言うのは、家族経営の農園を営むセシル・ブリアンさん。パンポル豆は4月中旬から真夏にかけて植え付けが行われ、完全に育つまで90~135日ほどかかります。灌漑設備は必要としません。土壌は養分に富み、温暖な気候はパンポル豆の栽培にとても適しています。畑は手作業で耕し、草取りをします。「作物を枯らしてしまうアブラムシが付かないようにし、収穫作業をする人がイラクサでけがをしないようにするためです。」(ブリアンさん) 

© ©Louis-Laurent Grandadam

農場から食卓へ 

パンポル豆は手摘みで収穫されているため、全ての豆の品質がチェックされています。まだ青い豆や、3粒に満たない鞘は取り除きます。豆は木箱に詰めて、協同組合に送られます。乾燥しないよう、全て冷蔵保存されます。豆は鞘ごと量り売り、または10、5、1キロ単位でネットに入れて販売します。「協同組合に送られた豆はすぐに包装され、翌日には販売されます。」10月下旬まで、直販市場や小売店の野菜コーナーには、「半乾燥」状態の豆が出回ります。硬い鞘の中には、薄皮で包まれた乳白色の豆が入っています。その味はとても洗練されており、栗のような風味もあります。繊細な味覚とともに口の中でとろけるような食感なので、あらゆる料理に組み合わせることができます!あなただけのお気に入りの一品を見つけてください! 

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