音楽に縁のある6月、 南仏気分でパスティスにトライ

By 山本 真紀

621日は、音楽の日。毎年、音楽に親しむイベントが世界中で繰り広げられてきました。夏本番に向かって気温が上がりゆく 6月、温暖な南フランスを思い浮かべながら、音楽に浸って過ごしてみましょう。

pastis

音楽の日、発祥地はフランスなんですって(https://fetedelamusique.culture.gouv.fr/)。音楽家のモーリス・フルレさんが提唱し、1982年6月21日にパリで音楽祭が開催されたのが始まりなんだとか。今では、国を挙げて音楽を応援するフランスだけでなく、日本を含めた世界中で音楽イベントが開催されるようになりました。この日になると、本場フランスでは音楽ジャンルを問わず無料のコンサートがあちこちで開催され、プロもアマチュアも揃って街角で演奏を披露し、往来の人々に拍手をもらうシーンが展開されます。

とはいえ、コロナ騒動でライブやコンサートはしばらくおあずけ……ですが、家のなかで楽しむ音楽だって、けして悪くありません。なにしろ、聴くタイミングや選曲はすべて自分次第。好きな飲み物や食べ物を傍らに置き、誰に気兼ねすることなく鑑賞できるのですから。そう、「あの曲が聴きたくなったな」「カラオケしたい気分」「久しぶりに楽器を演奏してみようか」などと思い立った日はすべて、アナタにとって音楽の日なのです!

アニスが香るパスティス

夏の到来を予感させる、あたたかい風が吹き始めた6月。温暖な南フランスの食が似合う季節、とも言えるでしょう。そこで提案したいのが、南フランスのカフェでよく見かける、マルセイユ生まれのお酒「パスティス」! スターアニスやフェンネルなど幾つものハーブを漬け込み、さわやかな風味に仕上げられているパスティスは、水と混ぜると一気に白く濁るという、不思議な特徴も持ったお酒です。アルコール度数は40度以上と高めだけれど、もともと水や炭酸水で割って飲むのが基本スタイル。自分の好みの度数に調整できるのがうれしいですね。かなり薄めたとしても、メインのアニス香はキッチリ残り、口中は涼やかに。少し汗ばむ気温の日でも、パスティスの芳香が身体をクールダウンさせてくれます。加えて、パスティスはカジュアルさがウリの飲み物ですから、音楽を聴きながらの宅飲み時間には最適なのです。

つまみはオリーブが◎
カフェでのおしゃべり時に、食前酒に、と大活躍のパスティスには、ぜひオリーブをお供に。南フランスはオリーブの木がすくすく育つエリアだけに、オリーブのオイルや実を使った料理が盛んです。パスティスに合わせるなら、オリーブの実をそのままつまんでもよし、オリーブの実を使ったペースト「タプナード」をパンやクラッカーにつけるもよし。タプナードは、オリーブの実、オリーブオイル、アンチョビ、ニンニクなどをフードプロセッサーで混ぜて作ります。フードプロセッサーがなければ、みじん切りでもOK。

アンチョビの代わりにシラスを使うと、タプナードの塩気が控えめになり、オリーブの風味がより引き立ちます。さらには、磯が香る海苔をタプナードの上にふんわり添えてみても。洋と和の食材が違和感なく溶けこみ、ついつい合わせるパスティスもおかわりしたくなる?! 後味をサッパリさせてくれるパスティスは、オイリーでコクのあるオリーブや、海の香りと旨味を持つ魚介系のつまみと相性バッチリなのですね。

南仏流のお酒とつまみを自在に組み合わせ、音楽の日をゆるりと過ごしてみてください。

 

Contributor

MakiYamamoto
山本 真紀

ワインライター

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