日本のおうちごはんをひと捻り!「フランス食材」でたちまち見違えるメニューに

By 江澤 香織

みなさんの好きなおうちごはんは何ですか?

焼きそば、コロッケ、餃子など、子供の頃から誰もが好きな料理や、家族がつくってくれて気兼ねなく安心して食べられる、おなじみの料理を思い出されるかもしれません。またきっと、その地域ならではの郷土料理もありますね。庶民的で親しみやすく、おいしくて飽きのこないのが、おうちの定番料理。今回は、そこに魅力的なフランス食材を使って、人気インスタグラマーのウチコックさんとYOKOさん に、それぞれ2品づつ、ひと味違うおうちごはんのオリジナルレシピを考案していただきました。

いつものおうちごはんが、たちまち素敵なおもてなし料理に!ぜひ試してみてください。

How to frenchfy Japanese Food ?

ウチコックさんのレシピ1つ目:「リヨン産のソーセージ2種を使ったゲランド塩焼きそば」

焼きそばには豚肉を入れることが多いというUchicockさん。今回は美食の街としても名高いフランスの地方都市リヨンを代表するシャルキュトリー2品、「リヨン・ソーセージ」と「ソーシス・セッシュ(サラミ)」を使ってボリューミーな焼きそばにアレンジ。さらに使用したブルターニュ産の「ゲランドの塩」が全体を陰で支える味の決め手になっています。肉の複雑で豊潤な旨味が口の中に広がり、食べ応え満点です。

『使ったフランス産食材』

・リヨン・ソーセージ:オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方の新鮮な豚肉を、塩、砂糖、黒コショウ、ニンニクなど最小限の調味料で味付けし、天然の牛肉で作ったケーシングに詰めて蒸し焼きにしたソーセージ。肉汁は逃さず、しっとりとした仕上がりです。昔ながらの伝統的な塩漬け肉の品質と特徴を尊重し、原材料の質の良さはもちろん、高い技術を持った職人の技と経験が活かされたソーセージです。

・ソーシス・セッシュ・ドロワット(サラミ):リヨン近郊ピラ山は、サラミづくりに適した環境。1870年の創業以来、受け継いできた伝統的な技術と製法によってつくり続けられている「Salaison du Mont Pilat」のサラミ。豚肉をはじめとする、厳選された地元の食材を使い、少量ずつ丁寧につくられています。噛みしめる程に素材の奥深い味わい、コク、風味を楽しめます。

・セル・マラン・ゲランド(ゲランドの塩):ブルターニュ半島南部ゲランドの塩田で伝統的な手作業に基づいて生産された塩。しっかりした旨味が特徴で、料理の仕上げにひとつまみ加えるだけで、ワンランクアップした味わいに。周囲の環境保護や添加物の禁止など、数々の厳しい項目をクリアし、有機農業推進団体「ナチュール・エ・プログレ」が定める認定マークを取得。

リヨン産のソーセージ2種を使ったゲランド塩焼きそば
  • ウチ コック
  • インスタグラマー、家族専属料理人

ウチコックさんのレシピ2つ目:「フランス産ロブスターとシードルビネガーのちらし寿司」

ちらし寿司は彩りの美しさもおいしさのひとつ。今回選んだフランス食材は、フランス領セントポール島で採れたロブスター(イセエビ)と、ノルマンディー特産の有機りんごを使ったシードルビネガー。新鮮なロブスター(イセエビ)のぷりぷり食感が程よいアクセントになり、シードルビネガーはまろやかでフルーティーな味わい。一味違う豪華なフランス風ちらし寿司です。

『使ったフランス産食材』

・ロブスター(冷凍): ロブスター(イセエビ)は大変デリケートな食材で、漁獲後の処理のスピードの速さがキモ。南インド洋に浮かぶ小さな島、フランス領セントポール島沖で採れたイセエビを船上ですばやく凍結し、鮮度は抜群です。

・シードルビネガー : シードルビネガーとは、りんごを発酵させたりんご酢のこと。ノルマンディー特産の有機りんご果汁を使い、伝統的製法でつくられた、無添加でオーガニックのシードルビネガーです。

フランス産ロブスターとシードルビネガーのちらし寿司
  • ウチ コック
  • インスタグラマー、家族専属料理人

Yokoさんのレシピ1つ目:「ムース・フォワグラのおにぎり&マスタードの焼きおにぎり」

家庭料理の代表選手、おにぎりをアレンジした贅沢フランス飯。お米はどんな具材も受け止めてくれる懐深い食材だから、フランス食材でさらに新しいおいしさを引き出せるのでは、とYokoさん。今回おにぎりの具として使ったのはムース・フォワグラとボルドータイプのマスタード。なめらかでとろけるような食感のフォアグラを和風にアレンジし、バルサミコ酢に醤油とハチミツを煮詰めた甘辛ソースタイプと、ゲランドの塩に粉山椒を効かせたピリリと大人の味わいタイプの2品が出来上がりました。さらにマスタードは味噌とハチミツを合わせて焼きおにぎりに。マスタードの風味が効いた、香り良くほんのりスパイシーな焼きおにぎりです。

『使ったフランス食材』

・ムース・フォワグラ:フランスの老舗フォワグラメーカー「GEORGESBRUCK(ジョルジュブルック)」は、小規模ながら長年伝統を守り、ひとつひとつ丁寧に手作りし、高品質のフォワグラ製品を生産し続けています。ガチョウの肝臓を55%使用しており、カットしやすいブロックタイプ。オードブルやカナッペに幅広く使いやすいフォワグラです。

・ポメリーマスタード:マスタードの2大産地といえばボルドーとブルゴーニュ。ポメリーマスタードは、粒状のボルドータイプマスタードの代表的存在です。マスタードの種子を外皮のまま潰しているため、色が濃く、刺激は少なめです。300年以上も前からヴィネガー、ワイン、塩、香辛料と全て無添加の素材を厳選して用いています。

Yokoさんのレシピ2つ目:「エスカルゴ餃子&ビゴール豚とコンテチーズの餃子」

みんな大好きな餃子。そこに合わせたフランス食材はなんとエスカルゴ!なかなか手を出しにくい食材ですが、フランスではポピュラーなメニューです。貝をイメージすると、少し扱いやすくなるかも?今回は最高級のブルゴーニュ産エスカルゴを使用。淡白で柔らかく、バターとニンニクが効いた食べやすいエスカルゴです。

そしてもうひとつの餃子メニューは豚肉とチーズ。フランスは旅行でも行った思い出深い国で、特にチーズはショーケースにずらりと並ぶたくさんの種類に心が踊ったというYokoさん。好きなチーズもたくさんあるそうですが、今回使ったのは、一番クセがなく親しみやすいコンテチーズです。そこにフランスを代表する高級ブランド豚、ビゴール豚を合わせました。豪華なご馳走餃子はパーティーにもぴったり!ぜひ思い切ってチャレンジを。

『使ったフランス食材』

・殻付きエスカルゴアラブルギニヨン(冷凍): フランスのブルゴーニュ地方では昔から家庭料理として食べられてきたエスカルゴ。現在でも高級食材としてレストランのポピュラーなメニューです。最高級のブルゴーニュ産エスカルゴは、淡白で柔らかく、プリプリの食感。濃厚なエスカルゴバターがたっぷり入り、香ばしいガーリックがアクセントの病みつきになる味わいです。

・ビゴール豚 骨付きロース(冷蔵): フランス屈指のブランド豚、ノワール・ド・ビゴール豚はピレネー山脈の中央部、ビゴール地方に太古から存在する純血の土着種です。黒い毛並みと横長の耳が特徴的で、小さな群れで移動しながら山のふもとの草原を自由に歩き回り、草、どんぐり、栗などを思うままに食べて育ちます。無理な繁殖は行わず、飼育期間は12〜16ヵ月と、通常の2倍近く時間をかけてゆっくり育てられます。ビタミンが豊富な牧草を食べているため、脂身が透きとおるように白く、オリーブオイルでおなじみのオレイン酸とリノール酸脂肪酸を豊富に含んでいるといわれています。 良質な脂が、とろけるような食感と溢れ出る肉汁、加熱した際に心地よく食欲をそそる香りを引き出しています。

・コンテチーズ24ヶ月熟成 : コンテチーズは1000年以上の歴史があるといわれており、フランスでは最も消費されているチーズです。スイスとの国境近くにある、自然に恵まれたフランシュ=コンテ圏が原産地。伝統的な製法で作られた質の高い食料品を守るフランスの制度、AOCを取得しています。熟成によって凝縮されたミルクの香りは、ナッツのような香ばしさを含んだ香りに変化し、風味もコクも濃厚になり、ほっくりとした甘みが増していきます。24ヵ月の長期熟成のものは花のような香りも感じられ、官能的な味わいになります。甘みとコクの両方がバランスよく味わえ、アミノ酸由来の旨味成分が結晶化し、シャリシャリとした食感が楽しめます。

・エシャロット: フランス料理には欠かせない食材であるエシャロット。日本で時折見かける「エシャレット」(若採りらっきょう)は、名前は似ていますが全くの別物です。エシャロットはユリ科の玉ねぎの変種で、表面はタマネギのように乾燥した薄い皮に包まれていて、内側表面は薄い紫色、中は白く、レッドオニオン(紫タマネギ)とよく似ています。ソースや煮込み料理の味の決め手として欠かせない食材の一つで、ニンニクほど臭いが強くなく、タマネギほど甘く無いので、ほかの食材の味を引き立て、料理全体をまとめる名脇役です

・ブラウンマッシュルーム: ブラウンマッシュルームは、一般的なホワイトマッシュルームと比べて、きのこらしい香りと風味が濃く、加熱調理によってその味わいがより一層強く感じられます。フリットやアヒージョ、生の状態を薄くスライスしてサラダやカルパッチョにするなど、幅広い料理に使って楽しめます。

Contributor

Ezawa Kaori
江澤 香織

ライター、旅、食、クラフトなどを中心に執筆

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