クレーム・ド・カシスは19世紀以来、フランスをはじめ多くの国々で、白ワインと合わせたキールとして人気があります。時代が変わっても、このフルーツリキュールの製法は基本的に同じです。アルコールに浸したカシスの実から貴重な果汁を抽出し、砂糖を加えます。それぞれIGP(地理的表示保護)認証を取得しているディジョン産クレーム・ド・カシスとブルゴーニュ産クレーム・ド・カシスの製造には、様々な規定があります。あなたなら、どちらを選びますか?

知っておきたいこと

ラタフィア(ratafia)の祖先であるクレーム・ド・カシスは、フランスに難なく広まりました。それどころではありません。 1841年の誕生後、瞬く間にカフェで絶賛されたのです。この有名な「ブラン・カス(blanc-cass’ )」はカフェの従業員が発明し、後にディジョン(Dijon)のフェリックス・キール(Félix Kir)市長が自らの名を冠して広めたと言われています。その後、2013年に「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」、2015年に「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ」の2つのPGIが誕生しました。この2つのリキュールは、製造方法が非常によく似ています。簡単に言うと、果実をアルコールに低温浸漬してから澱引きして砂糖を加え、アルコール度数15%以上のリキュールを造ります。詳しく言えば、後者は前者よりもアペラシオン面積が広く、果実のマセラシオン期間が短く(3週間)、最低糖度(450g/l)および果実含有量(250g/l)が高いという違いがあります。この観点から、ノワール・ド・ブルゴーニュ(Noir de Bourgogne)品種のカシスが、リキュール生産者やその顧客に好まれています。この品種を好む人が多ければ多いほど、その製品の人気は高まるわけです…。

特筆するべきこと

香り

香り

カシスのフレッシュな香り。マセラシオンによる重さは感じられない。
視覚的に

視覚的に

非常に不透明で、紫がかった濃いガーネット色。
味覚的に

味覚的に

ビロードのような舌ざわり。フルボディでダイレクトな味わい。

栄養面のメリット

クレーム・ド・カシスには、カシスのビタミンや抗酸化物質が含まれています。
とはいえ、糖度がとても高いので飲みすぎにはご注意を!

編集後記

« クレーム・ド・カシスは、フランス国内だけでなく海外でも同様の人気を誇ります。米国では、ライム、テキーラ、ジンジャーエールで作る「エル・ディアブロ」というカクテルに使われます。日本では、お茶の味を引き立てるために使われるんですよ! »

利用方法

保存について

熱や光を避け、乾燥した涼しい場所で、数ヶ月、あるいは数年保存できます。

下準備

必要ありません。クレーム・ド・カシスに必要なのはあなただけです!

使い方

クレーム・ド・カシスが力を発揮するのは、キールのようなカクテルだけではありません。パワフルなお肉のステーキの肉汁をクレーム・ド・カシスでのばしてみてください。フルーツのシロップ漬けやローストに添えても絶品ですし、バニラアイスにかけるとシンプルな美味しさが口中に広がります。

とのペアリング

鴨の胸肉のロースト、洋ナシのシロップ煮、イチジクのローストと一緒に…。

ブルゴーニュのアリゴテやクレマン・ド・ブルゴーニュと合わせたキールはもちろん一押しです。

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