世界最大級の食品フェア「パリ国際農業見本市(SIA)」

パリのポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場で毎年開催される「伝統」「革新」「現代の挑戦」が一堂に会するイベントに潜入!

「フランス最大の農場」とも称されるパリ国際農業見本市から、フランスの真髄をお届けします。

Discover the world's largest Food Fair: The Salon de l'Agriculture Experience

毎年60万人以上もの人々がパリのポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場に集まる理由――それは、見本市の規模だけではありません。伝統と革新が一堂に会するこのイベントが農業界に欠かせない重要な集まりだからです。毎年2月に開催されるこの巨大イベントでは、農家や畜産家、アグリフード業界の代表者や研究者、政策立案者のみならず、3,000人以上のジャーナリストを含む大勢の人々が訪れます。

 

毎年、イベントを盛り上げる恒例行事となっているのが、見本市の精神を象徴するマスコットの選出です。今年は、「オレイエット」と名付けられた5歳の美しいノルマン種の牛が、フランス農業の豊かな伝統と活気あふれる未来を体現する見本市の顔として選ばれました。

© SIA 2024

興味をそそる各種多様なアクティビティと洞察に満ちた展示

 

パリ国際農業見本市は、業界の専門家や農業愛好家らの出会いの場として機能しているだけでなく、ワークショップや試食、ライブデモンストレーションを通して、サステナブルな実践と、農場から食卓まで新鮮で安全な食品を提供するという考え方「ファーム・トゥ・テーブル」を啓蒙する教育の場にもなっています。革新と伝統が一堂に会するこのイベントでは、最新のアグリテックだけでなく、昔ながらの栽培方法や家畜管理にも焦点を当てています。味、栄養、季節、生物多様性、環境などをテーマにした100を超えるアクティビティやワークショプがあり、子どもも楽しむことができます。

© SIA-2022_CELINEKOPP

選び抜かれた最高級のフランス物産品

 

見本市では主に4つのテーマ――1)農業分野の職業とサービス、2)植物の栽培と加工、3)海外県を含むフランス全土と外国の物産品、4)畜産業と畜産関連分野――に分けて紹介しています。イベントのハイライトは、ノルマンディーからアルプス、ブリュターニュ、プロヴァンスに至るフランス全土から集められる物産品の中から優れた物産品に賞を与える「全国農業コンクール(Concours Général Agricole」です。来場者にとっては、クリーミーなサン・ネクテールチーズ、スパイシーなエスプレット唐辛子(ピモン・デスプレット)、風味豊かなル・マン産リエット(リエット・デュ・マン)など、フランスが誇る最高級の食材を味わうことができるまたとない機会でもあります。

農家、畜産家、ワインやチーズの製造業者や職人など、フランスの物産品を手掛ける全ての生産者が出品することができるこのコンクールでは、見た目、香り、食感、味、その他製品固有の特徴などに基づき、専門の審査員によって審査が行われます。

コンクールの他にも、1864年の開始以来続いている動物コンテストでは、フランストップレベルの遺伝的に優れた家畜(馬、牛、犬、山羊、羊、豚、猫)の展示もあります。

© SIA 2022_CELINEKOPP

もうひとつの役割:文化的・経済的な支柱

 

見本市の形式やテーマは変化してきましたが、「農業分野における称賛・教育・革新」という使命は変わっていません。このイベントは、最新の業界トレンド、競争への参加、フランスの新たな物産品とのうれしい出会いなどへの道を開くものとして、農業関係者だけでなく一般の人々にとっても重要なイベントとなっています。その熱気は農業界だけにとどまらず、政治的にも大きな注目を集めています。選挙キャンペーンや一般大衆と触れ合う機会として政治家が訪れる回数は、平均80回以上に上ります。このような農業と政治の結びつきによって、農村・農業分野の重要課題に関する公約や対話のためのプラットフォームとしての重要性も注目されています。

© SIA-2022_Aurelie Bourdon

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