ロワール渓谷で生産される AOP(原産地保護呼称)シノン。赤ワインが有名ですが、数は少ないものの白とロゼもあります。時に軽快で繊細、時にフルボディでパワフルな、いずれもテロワールを強く反映する高品質なワインです。

知っておきたいこと

大宰相リシュリューの時代には、多くの国王および王妃がシノンの町に滞在しました。また文人フランソワ・ラブレーの生まれた街としても知られています。

AOP シノンの気候は、西は海洋性、東は大陸性です。
土壌によって、砂・砂利の土壌の場合は「グラヴィエワイン」、丘陵や台地の粘土・石灰岩質の土壌の場合は「テュフワイン」
と呼ばれることもあります。「テュフワイン」の土壌は晩熟で、赤ワインではより熟成に適したフルボディのワインを生み出します。「グラヴィエワイン」は、若いうちはしなやかでフルーティですが、熟成させるとフィネスを発揮します。

AOP シノンの白ワインは非常に稀少で、シュナンから造られます。赤ワインとロゼワインの品種はカベルネ・フランです(カベルネ・ソービニョンの使用も最大10%まで認められています)。

ロワール川とヴィエンヌ川が合流するこの地は、丘陵地帯の強い日照と海の影響を受け、特にカベルネ・フランの栽培に適した微気候に恵まれています。

特筆するべきこと

香り

香り

白ワインは柑橘系のアロマで、蜂蜜やカリンが香ります。 赤とロゼは、赤と黒の実の果実(カシス、ラズベリー、チェリー、ブラックベリー、カラント)やスパイスの香りが支配的です。
視覚的に

視覚的に

赤ワインは、鮮やかなチェリーレッドから紫まで、濃い色調の様々な色合いがあります。熟成させると、紫がかった茶色の色調になります。 ロゼは明るいルビー色で、白は明るい麦わら色です。
味覚的に

味覚的に

白ワインはシルキーでミネラル感があります。 ロゼはフルーティで骨格があり、花のようなアロマがあります。 赤ワインは、赤い果実のアロマを持つ軽やかで繊細なものから、黒い果実やスパイス、ジビエなどの複雑なアロマを持つフルボディで骨格のしっかりしたものまであります。

利用方法

保存と熟成

赤ワインは、タイプによって25年、または1020年保存できます。

適温

若いワインは、14~15 °C が適温です。

より古いヴィンテージのワインは、16~17 °C が適温です。

試飲の前に

若いワインは、試飲の2~3時間前にカラフェにうつす(キャラファージュ)と柔らかい味わいになります。
より熟成の進んだワインの味わいを引き出すには、デキャンタ―ジュがお勧めです。

とのペアリング

赤ワイン: シャルキュトリ

白ワイン:魚料理

ロゼワイン:フルーティな若いワインはグリル料理や白身のお肉によく合います。
よりコクがあるフルボディタイプのロゼは、
 煮込み料理やソースをかけたお肉、ジビエと合わせて。

テイストフランスマガジン発行のメルマガを読む

このフィールドにご記入
登録が確定しました