農場から食卓へ : Interbev(フランス畜産・食肉協会) 、大阪でフランス産牛肉を紹介
9月19日から21日にかけて、Interbev(フランス畜産・食肉協会)は「Taste France」イベントに参加し、大阪・関西万博のフランスパビリオンにて、日本の来場者にフランスの畜産モデルの卓越性と持続可能性を紹介しました。
小麦・小麦粉・パンの産業を代表する団体「Intercéréales (フランスシリアル協会) 」とともに、 Interbevは約1,900名の来場者に向けて、フランス産牛肉の豊かさ、職人技、畜産農家の情熱、そして美食文化を紹介する共同展示を行いました

発見のためのアート:古武家賢太郎のまなざし
この展示では、日本人アーティスト・古武家賢太郎による作品を通じて、「アートと教育の対話」が提案されました。
彼には「フランスの農場から日本の食卓へ」というテーマの解釈が託されました。
古武家氏は6月にリヨン地方を訪れ、フランスの畜産モデルの情熱と厳格さを体現する生産者や精肉職人たちと交流しました。彼は彼らの所作や風景、動物や大地との深い関係性をじっくり観察しました。
大阪で展示された彼の作品は、人と動物、自然とのつながりを詩的かつ繊細なまなざしで表現し、持続可能な農業モデルが持つ美しさとバランスに光を当てるものでした。
持続可能で敬意ある畜産
フランスは1,600万頭以上の牛を飼育しており、ヨーロッパ最大の牛肉生産国です。
その畜産モデルは、人の手が届く規模での持続可能な飼育と、動物福祉への配慮を基本としています。
牛は年間の大半を屋外で過ごし、草や自然の飼料を食べて育ちます。
成長促進のためのホルモンや抗生物質は使用せず、厳格な生産環境のもとで飼育されているため、動物や環境への尊重が最優先されています。

数字が物語っています:
フランスの平均的な牛の群れの規模は60頭。
1ヘクタールあたり1頭の牛が飼育されており、畜産と環境のバランスが保たれています。
フランスの生産者たちは、ISO 26000認証を取得した社会的責任(RSE)への取り組みに積極的で、自然資源の保護、動物福祉、そして生産の持続可能性を重視しています。
飼料の80%は草から得られ、そのうち90%は農場内で生産されており、生物多様性の保全と、動物とその土地(テロワール)との結びつきを強める役割を果たしています。
多様な品種とフランスの卓越した技術
フランス産牛肉は、その多様な品種によって特徴づけられます。シャロレー種、リムジン種、ブロンド・ダキテーヌ種など、それぞれが自らの地域の特色を色濃く反映しています。
この多様性と、フランスの熟練した肉加工技術が組み合わさることで、34種類もの異なる部位に細かく分割され、それぞれが品質・味・製品への敬意を象徴しています。
大阪の食卓に届くフランス産牛肉
ビストロ・メゾン・カイザーでは、フランスの卓越性を讃える特別メニューが提供されました。
ローストビーフのサラダと赤ワインソースのステーキフリットに、ワイン、デザート、コーヒーまたは紅茶が添えられています。
これらの料理は100%フランス産牛肉を使用しており、日本の来訪者の心を掴み、フランス料理における牛肉の重要な位置を見事に示しました。

共同展示では、来場者がフランス産牛肉の旅路を「農場から食卓へ 」たどる教育的な体験が提供されました。
ポストカードやメッセージボード、公式スタンプのコレクションを通じて、来場者それぞれがフランスの肉産業との出会いを思い出として持ち帰ることができました。

Interbev について
Interbev(フランス畜産・食肉協会)は、畜産および肉類の業界団体です。
牛肉産業に関わるすべての関係者を結集し、フランス国内外でフランス産牛肉の普及・促進に取り組んでいます。
同団体の活動は、持続可能性、動物福祉、そして卓越したガストロノミー技術という、フランスの牛肉産業の真の柱を際立たせています。
Contributor

ライター、旅、食、クラフトなどを中心に執筆