サントモール・ドゥ・トゥーレーヌ(Sainte Maure de Touraine)
1996年に原産地呼称(PDO=AOP)の認定を受けた、極めてマイルドで柔らかな山羊の生乳チーズ。丸太のような形で、中心に藁が通されているのが特徴です。この藁には、原産地呼称と生産者名が端から端まで刻印されています。こうすることで、熟成時にも扱いやすくなっているのですね。
生産地域:サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(90%)、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏
知っておきたいこと
サントモール・ドゥ・トゥーレーヌは、ルネサンス期の人文主義者のラブレーが称賛し、19世紀の小説家バルザックが引用するなど、長い歴史のあるチーズです。幸い生産には時間がかかりません。アルプス、ザーネン、ポワテヴィン種の山羊の生乳に少量のレンネット(酵素)を加え、約24時間かけて凝固させます。凝乳を穴の空いた型に入れ、余分な水分を抜きます。翌日にフレッシュチーズを型から出して、真ん中にライ麦の藁を1本通し、塩と灰を表面にまぶします。そして、涼しく、湿った風通しの良い熟成庫で最低8日間熟成させます。
特筆するべきこと
視覚的に
表面は青みがかった灰色で、内部は真っ白なペースト状
味覚的に
クリーミーな食感で、繊細な山羊乳の香りで、熟成が進むにつれ、ナッツの風味が増します。
編集後記
« チーズだけでなく藁にも、ものづくりのノウハウが隠されています。原材料のライ麦はPDOで指定された地域で栽培し、1940~1950年代の収穫機を使って、藁も完全に刈り取ります。藁は1本1本手作業で16センチの長さに切断し、レーザーで刻印を施します。 »
利用方法
とのペアリング
穀物パン、グリーン・アスパラガス、エンドウ豆、イチジク、洋梨、ドライフルーツ。ワインなら、シノン産(Chinon)やシュヴェルニー産(Cheverny)の白がおすすめです。