フランスの製菓材料を利用しておいしい菓子作りを

By Tsuyoshi Murakami

フランスの海外県の一つ、インド洋に浮かぶレユニオン島で栽培されるバニラは、ブルボン・バニラと呼ばれ、バニラの最高峰といわれています。フランス産のバニラは品質管理がしっかりしていて、質が高いことで知られていますが、この島がもともとブルボン島と呼ばれていたことから名づけられたブルボン・バニラは、特に高い品質で知られています。

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 クレーム・ブリュレなど、ブルボン・バニラをたっぷり、贅沢に使用すれば、とてもおいしく仕上がります。保存は冷凍で、サヤも一度使ったものを水洗いして砂糖の中に入れ、バニラシュガーを作ったり、無駄なく使うようにしましょう。

 製菓用チョコレートでもフランス産は、高品質で知られており、有名なメーカーやブランドがいくつもあります。フランスのメーカーは、原料となるカカオの段階から、その栽培や品質管理に携わり、高い品質のチョコレートを生産することに力を注いでいます。フランスにチョコレートが伝わったのは16世紀後半、南西部、スペインとの国境近くのバイヨンヌに初めてチョコレートが伝わったといわれています。バイヨンヌは、フランス最高の生ハムの産地として知られていますが、チョコレートもバイヨンヌの産物の一つとしてよく知られています。

 フランスのバターは、産地や生産者によって、それぞれ特徴が異なります。特徴を理解し、作る菓子に合ったバターを選びましょう。ビスキュイ生地には、ノルマンディ地方のバター、ブリオッシュやパイ生地にはシャラント・ポワトー地方のバターが良いといわれています。

 フランスでは、サトウキビを原料とする砂糖とテンサイを原料とする砂糖が使われています。クレーム・ブリュレを作る時に欠かせないカソナードは、サトウキビ原料のブラウンシュガー(粗糖)です。カソナードを振りかけて表面を焦せば、とても香ばしく風味豊かに仕上がります。風味、味わい、コクともとても良い砂糖です。ヴェルジョワーズは、テンサイを原料とするブラウンシュガー、伝統的なタルトなどの菓子に使用すると風味が増します。

 食材に使い方のルールはありません。いろいろなチャレンジをする中で、食の楽しみが広がります。移動の制限があっても、食材は手に入ります。フランスの食材を使って、料理を楽しみ、産地に思いを馳せ、料理や菓子作りでフランス旅行を楽しみましょう。

 フランスの食材は、きちんと品質管理された、とても上質なものが輸入されています。それを選ぶことができます。ぜひ試して欲しいと思います。

 

(料理研究家 脇雅世氏インタビューにより記事構成)

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