Cider Normandy
取材

シードル、オーガニックでノルマンディー産が好き

Marie-Aline Prevost Marie-Aline Prevost, エディター 2020.12.09
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AOP シードル・ペイ・ドージュ

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ペイ・ドージュは、それだけでノルマンディーの絵葉書のよう。カメラを出して、木組みの家、牧場の草を食べる美しい乳牛、りんごの木を写真に収めましょう。ここは有名なペイ・ドージュシードルの産地です。それでは長靴を履いて、フランスの有機果樹園を見に行きましょう。

秋の午後、リジューから数キロメートルほど離れた典型的な小さな村、ヴィクト ポンフォルのそばにさしかかると、田舎の新鮮な空気にりんご、腐葉土、干し草の甘い香りが混じった独特な匂いが漂っています。ペイ・ドージュの果樹園がすぐそばなのは間違いありません!ドメーヌ・デュポンの共同経営者であるマリー・マロワさんが有機農法の若い果樹園の入り口で迎えてくれました。見学開始。

Cidre Normandy

自分の中のりんごの木は少し浮かれたねじれた木で、梯子に登って1つ1つ摘むイメージがありましたが、それは昔の話だったようです… 2014年に植樹された若い果樹園に入って驚きました。木は、農業用語で「低樹高」と呼ばれるもので、木の丈が非常に低くなっています。高密植栽培により、「喬木、吹きさらし」と呼ばれる従来のりんごの果樹園よりも高収量が可能になっています。

Apple trees cider
  • りんごの木の下に牛はいなかった!

    木の下でゆっくり草を食べる牛の影はなく残念 !!! マリーさんが牛がいない理由を教えてくれました。りんごの木の下で牛を放牧させていた旧式のやり方では、木の間隔が開きすぎていて、収穫量も低く、牛の糞が果樹園のシードルに素朴すぎる(デュポンによると)「堆肥」の香りをもたらす細菌を発生させるそうです。それに、今日、昔ながらの非常に素朴で渋いシードルは現代人の嗜好に合わなくなりました。そこで、デュポン社は高級ワインに使用されているのと同じような製法で上品でエレガントなシードルを醸造しています。りんごの木の下に牛はなし!

    上質なシードルのための有機果樹園

    「当社の35ヘクタールの果樹園では有機栽培を行っています」とドメーヌ責任者は少し誇らしげに語ります。これは、土壌改良から木の処理まで、有機農業用に認定された製品のみが使用されていることを意味します。したがって、ここでは化学肥料は一切使用されていません。りんごの木には草を主食とする地元の牛の堆肥を与え、病害に対する優れた予防策としてボルドー液(硫酸銅と消石灰の混合溶液)で処理されています。

     

    「ご覧のとおり : 土は生きており、多彩な動物相が見られます」

    Apple Cider

    次に、有機栽培の成功は観察力にかなり左右されます。「頻繁に果樹園に足を運び、選定した木に虫の罠を仕掛けます。そうすることで虫が繁殖すればタイミングよく処理できます。アブラムシに対しては、マルセイユ石鹸を用いた自然農薬、毛虫にはオーガニックオイルの混合物を散布しています。」とマリー・マロワさんは続けます。最後に、ここでは除草剤は一切使用していませんが、年に何度も木の下の草を機械で刈っています。正真正銘の自然オンリーです!

    国産みつばちと野生のハチが確実に受粉を行ってくれます

    マリー・マロワさんは述べます。「ご覧のとおり : 土は生きており、多様な動物相(昆虫、シジュウカラ、鷲)が見られます。地元の養蜂家たちが当社の果樹園に約20個の養蜂箱を設置しました。これらの蜂たちも野生のハチと全く同様に花々の受粉を促します。花粉媒介昆虫はリンゴの木の混合受粉と確実な収穫を保証します。」

    木は毎年1月中旬から4月初旬までに剪定されます。「剪定により、樹冠内部にも十分に光が入るようにし、枝にできるかぎり光を当て、確実に果実が成熟するようにします。」とマリー・マロワさんは説明し、「プティ・ジョーヌ」というりんごの試食をすすめてくれました。このおいしそうな酸味種のりんごをかじったところ、シードル用のりんごは生では酸っぱすぎて食べられたものではないと思い込んでいた自分の舌が信じられませんでした!

     

    10月いよいよ収穫!

    この時期、収穫はピークを迎えます。りんごの木の下に茂った下草が落ちたりんごのクッションになります。はしごやかごは使用せず、シードル用のりんごは木から摘むのではなく地面から手で拾います!これで自分の思い込みは捨てられました…収穫期間中、りんご拾いは方々の果樹園で何度も何度も行われます。熟れたりんごはマイペースにしか地面に落ちませんから…

    Apple Cider

    1980年代、海外への輸出を目標にシードルのブレンドをはじめるには勇気がいりました

    ドメーヌ・デュポンでは、りんごは品種別に収穫され、大型予冷庫で保管され、追熟します。デュポンのシードルの特徴は、単一品種を用いて原酒をブレンドして造られている点です。

    りんごの搾汁

    圧搾機へ進みます。ここですべてが起こります!選果台で作業員が葉、枝、傷んだりんごを取り除きます。健全な果実だけが選別され、質の高い発酵が保証されます。すさまじい音の中、りんごは水で洗浄、すりおろされ、窯に入り、ワイン生産に使用されているような圧搾機へ移されます。りんごの強い香りが鼻をくすぐります!

     

    すりおろされたリンゴは、圧搾機に一度3.5 トンまで充填できるまで保持タンクに残ります。この短期間の間に酵母の発酵が起こります!

     

    青い作業着の作業員がゆっくりまわるすりおろしたリンゴの果肉の圧搾機を稼働させます。非常に香り高いりんごの搾汁を取り出します。この最初のまろやかな香り高い果汁を味見してみました。おいしい!搾汁はただちにタンクへ移され、8度に冷却され、冷房完備の貯蔵庫でゆっくりと熟成が始まります。 

    Apple Cider
  • 数週間の熟成後、熟成責任者のアルノーさんが特定のフレーバーの様々なキュベを造るために、単一品種の搾汁をブレンドし、アルコール度数は6度位になります。

     

    クレマンやシャンパンのように、瓶詰めまで自然発泡の度合いを管理しています

     

    その後、ブレンドされたシードルは瓶詰めされ、ペイ・ドージュ産のシードル特有の自然な泡をつくりながら発酵し続けます。ここでは、炭酸ガスの注入も行いません。自然だけを頼りに正真正銘、りんごだけ。

    おいしくてオーガニック。これ以上何をお望みですか?

    Apple Cider

     

    ドメーヌ・デュポンならびにカルヴァドス県の皆さんの歓迎に感謝申し上げます。

    セロリ(根の部分)
    セロリ(根の部分)
    ゲランド IGPフルール・ド・セル
    ゲランド IGPフルール・ド・セル