

AOPニヨンスのブラックオリーブは「タンシュ種」系統の品種で、古代からオリーブ栽培に使われてきたテロワール(土壌・風土)の特徴を反映し、また先人のノウハウが息づく産物です。
ローマ人が植えたオリーブは古代よりこの地域に存在しました。1世紀ごろ使われていたオリーブオイルの圧搾臼が見つかっています。オリーブ栽培はこの地域で発展し、17世紀には、当時最も重要な栽培作物でした。20世紀には、大きな被害をもたらした霜によりオリーブの木は半分以上が枯れ、代わりにブドウ畑や果樹園が広がりました。地域のオリーブ栽培農家は立ち上がり、1994年にAOCを、次いで1997年にはAOPを取得し、ニヨンス村とレ=バロニにオリーブ畑を再建しました。日照量が非常に多く乾燥し、また冬は寒いという気候に適した「タンシュ種」系統の品種を地域では栽培しています。この乾燥した寒気によってニヨンスAOP 独特のシワの寄ったブラックオリーブができ、11月~1月に完熟したオリーブを収穫します。オリーブの実は収穫後非常に苦いため、そのまま食べることはできず、処理を施さなければなりません。ニヨンスAOP のブラックオリーブには3種類の処理方法があります。塩水漬けが最も一般的な方法で、オリーブの実を塩水(水と海塩の混合液)に数か月間漬け込みます。この方法ではオリーブの果肉のねっとりとした食感と独特の味わいが残ります。二つ目は、オリーブの塩漬けです。これはニヨンス村の伝統的な独特の方法で、オリーブを収穫後まもなく食べることができます。収穫直後のオリーブの両端に穴をあけ、細かい海塩をまぶします。 10日ほどで食べることができます。この場合オリーブの持つアーモンドやヘーゼルナッツのような風味が引き立ち、若干の苦みが残ります。最後は、オリーブをそのまま食する方法で、密閉容器に生のオリーブを入れるだけです。数か月後には食べられるようになるでしょう。
オリーブは抗酸化酵素のポリフェノールの含有量が豊富で免疫を高める働きがあります。また不飽和脂肪酸も含み、心血管疾患のリスクを軽減し動脈血圧を下げます。
塩味のものと:子羊肉、ヒメジ、トマト、ナス、ズッキーニ、アンチョビ。
甘いものと:アプリコット、バニラアイス。
ドリンク類と:まず料理を基調に、それに合うものを選ぶことがおすすめです。